横浜元町にて生み出されるこだわりの洋家具
今から160年前の1863年（文久3年）に、在日英国人が横浜に住む家具職人に椅子の張り替えを頼んだところから始まったと言われる「横浜クラシック家具」。横浜港開港をきっかけに日本に持ち込まれた洋家具には、長い歴史を経て今なお根強いファンが多くいらっしゃいます。「横浜クラシック家具」は、洋家具製造技術が導入された後に生まれた、和と洋の要素が融合した日本独自の洋家具です。ダニエルの家具はその発祥の地である横浜元町で造られています。
今回は、咲寿義輝代表にお話しを伺いつつ、”後世に受け継がれてゆく確かなモノづくり”をモットーに、クラシカルな横浜家具を生み出し続けているダニエルの魅力やこだわりの数々をご紹介いたします。
「横浜クラシック家具」について
横浜クラシック家具の歴史は、1863年（文久3年）に英国人・ゴールマンが家具職人・原安造に椅子の修理を依頼したところから始まります。和と洋の要素が見事に融合した家具は、日本独自の洋家具として横浜地域に根付き、全国に先駆けてその製造技術が発展していきます。その後、横浜クラシック家具は戦争や震災の影響、技術を後継する職人不足、そしてダイニングテーブルでの食事やソファで寛ぐという習慣が日本に浸透していなかったことなどが重なり、衰退した時期もありました。それを再興させたのがダニエルの現代表・咲寿義輝氏の祖父にあたる咲寿武道氏や、家具デザイナーの富沢市五郎氏。そして時を経て現在、横浜クラシック家具は地域ブランドとして、国内外の人々から広く愛される存在となりました。
もはや神業としか表現のできない職人技
ダニエルの家具はひとつひとつ丁寧に、熟練の職人さんたちが手仕事で仕上げています。今回、横浜工場にて、ふるさと返礼品にもなっている「エントランススツール」が出来上がるまでの工程を見学させていただきました。組み立てから椅子張りまで、各部門専門の職人さん方のお仕事を拝見し、その丁寧かつ鮮やかな手さばきに感動を覚えました。
ダニエルの家具が愛されるのは、手に取っていただくお客様のことを思い、美しいだけではなく使い心地にもとことんこだわる職人方の気持ちがこもっているからなのだと納得。
そしてみなさまにどうしてもご紹介したい技術がもうひとつ。「挽物」という、木工ロクロを使って木材を加工する作業があります。ダニエルで挽物加工を担当している職人さんは、その道50年以上の大ベテランさんとのこと。角材があっという間に、魔法のように削り出されていく様子はまさに神業としか表現できず、一瞬たりとも目が離せませんでした。
普段は横浜工場で行われている挽物加工も、不定期ですがダニエル元町店の店頭の工房にて見学できます（見学会開催日は不定期）。ぜひ一度、日本の職人技の素晴らしさを直に感じ、店頭にて美しいダニエルの家具に触れてみてください。
大量生産ではなく、ひとつひとつのモノを大切に
家具にしても洋服や食品にしても、大量生産・大量消費が常となって久しいですが、ダニエルが創業当初から大切にしている理念の中に、「ひとつひとつのモノを大切に」ということがあります。今でこそ量販店へ行けばズラリと大量に並んでいる家具ですが、昔は和家具・洋家具問わずオーダーメイドが主流でした。ダニエルにはカタログ品もありますが、今でもオーダーメイドをメインとし、椅子張りや座り心地については制作過程でお客様に直に確認していただくこともあるのだとか。
家具の色味や使う生地も注文が入ってから制作するため、お届けまでに時間はかかりますが、その分、手作りでないとできないお客様好みのカスタマイズを施した家具が出来上がります。「サステナブル」や「エシカル」という言葉を耳にすることが多くなり、消費者の意識が少しずつ変わりつつある近頃は、世の中の流れが「モノを大切に」というダニエルの創業当初からの理念に追いついてきたのでは、と感じます。
100年の時を経ても色あせないダニエルの家具の魅力
ダニエルの家具のコンセプトは、「100年家具」です。無垢材を使い、160年の歴史を誇る職人の技術をもって造られる家具は、世代を超えて家族の歴史や絆を刻んでゆく大切なアイテムとして、100年以上使い続けることのできる堅牢な造りとなっています。使い込むほどにあめ色に輝いて味の出てくるダニエルの家具は、ただの家具としてではなく、愛着をもって日々愛でるように使っていただきたいという思いが詰まっています。
また、ダニエルでは他社製品の修理も請け負っています。修理・メンテナンスをすることで、新品の時より使いやすくなることもあるそう。子どもの頃につけた傷やペットがかじった跡など、家族の愛しい歴史を残したまま、メンテナンスをしつつ使い続ける家具、とても素敵だと思いませんか？
横浜の地域ブランドとしての誇りと自信
ダニエルの家具にはひとつひとつ、焼印とシリアルナンバーがつけられています。これは品質保証の意味合いの他、自社製品への自信と誇りの表れでもあります。
柔軟性や耐久性など、目に見えない部分にも熟練した職人技がひそんでいるダニエルの家具は、「木の芸術品」と評され、その流行りに流されないクラシックなデザインは、一点自宅に置いておくだけでも目を惹く美術品のようです。シーズン毎に変える洋服やバックと違い、家具は一年中毎日使うもの。日々、上質なものに触れていると、気持ちも上向きになりそうですよね。
また、ダニエルの家具を愛用しているお客様の声から生まれる商品もあり、ふるさと納税の返礼品となっている「シューズジャック」もそのひとつです。靴を脱ぐ時の負担を軽減したい、というお声から造られたシューズジャックは、使うのがもったいない！と感じてしまうような、インテリアとして飾っておいても素敵なお品です。美しさと使い勝手を兼ね備えたダニエルの家具をぜひ体感してみてください。
こだわりポイントを紹介
北海道日高山脈で伐採した無垢材を、熟練職人による組木の技術でひとつひとつ丁寧に仕上げています。大量生産品にはない、手作りならではの、日本の職人技の素晴らしさを実感できる家具となっています。経年劣化とは逆に、長く使い込むことによって出てくる味をお楽しみいただけます。
私たちが作っています
横浜工場10名、伊勢原工場15名、計25名の熟練職人が作っています。家具職人になるにあたり、国家資格の有無は問われませんが、ダニエルの職人は国からの認定制度である技能検定の一級もしくは二級を取得しています。確かな技術を持った技能士が造る家具は使い心地や耐久性に優れ、長年愛用していただける家具に仕上がっています。
こんなところで作っています
横浜元町の裏通りにはかつて、家具工場がたくさんありました。ダニエルの工場は、横浜駅周辺が発展してゆく過程で、塗装や大きな音が出る工程については伊勢原の工業団地へと拠点を移し、横浜クラシック家具発祥の地である横浜工場では主に、伊勢原から届いたパーツの組み立てや、椅子の布張りなどの作業をしています。
私たちの想い
横浜クラシック家具が、地元・横浜で培われた技術と文化であること、そしてその発祥の地であることを地域の方々にもっと知っていただき、後世に残してゆきたいと考えています。長く使えるモノ造りを継続してゆき、修理・メンテナンスの面でもお客様をしっかりとサポートし、世代を超えて使っていただける家具を造り続けたいと思っています。
ふるさと納税でこんな素敵な変化が生まれています！
ふるさと返礼品の購入を通して、横浜地域を応援したい！というお客様の気持ちが伝わってきました。また、「返礼品を購入することでダニエルを応援したい」というお客様の生の声を聞くことができ、胸が熱くなりました。ふるさと返礼品で、横浜地域の方だけではなく全国の方にとって、ダニエルの家具を知る最初の一歩となっていただければと思っております。
