雪温貯蔵でうま味がアップ!舌の上でとろける「にいがた和牛」
お米王国新潟には“最高の和牛”があることをご存じですか? 豊かな自然の中で愛情を込めて育てられた黒毛和牛のなかでも、厳しい審査をクリアした上質なお肉が「にいがた和牛」です。美しいサシが入ったA4・5和牛は、上品な脂ときめ細やかな肉質が特徴。口の中に入れるとたちまち舌の上でとろける極上の味わいを楽しめます。
最高級の「にいがた和牛」はこのままでも十分すぎるほどのクオリティーですが、おいしさをワンランクアップさせるために、内山肉店がこだわって行うのが「別格 雪温貯蔵」。お肉のうま味・甘味成分が増した味わいに、お客さんからは感動の声が続々届いています。お肉の可能性を追求し続ける内山肉店は、どのようなポリシーを持って商品づくりに臨んでいるのでしょうか? 雪温貯蔵を行う工場を訪ねました。
豪雪地・新潟県南魚沼市に構える「八海山雪室」
新潟県南魚沼市の山間を車で走り、たどり着いたのは「魚沼の里」。こちらは日本酒の老舗蔵「八海山」が手がける、里山を舞台にしたスポットで、敷地内には清酒八海山を醸造する蔵のほか、カフェや売店、菓子処やそば屋などが点在しています。
そんな魚沼の里の一角にある1,000トンの雪を収容する雪中貯蔵庫が「八海山雪室」です。内山肉店は、この「八海山雪室」の中にある専用の「雪温熟成室」で和牛の一部を貯蔵・熟成させています。
最高の和牛をめざして研究開発を重ねた5年間
「別格 雪温貯蔵」を考案したのは、内山肉店2代目代表取締役の内山治彦(はるひこ)さん。大学卒業後にオーストラリアで黒毛和牛の肥育にチャレンジし、豪州黒牛を日本に広めようと奮闘しましたが、そのころ、輸入牛に向かい風が吹き、あえなく計画を断念することに。その代わりに目を付けたのが、2003年に新潟県が満を持してブランド化した「にいがた和牛」でした。
「当時は、最高のにいがた和牛を仕入れては旅館やホテルに卸していました。お客さんに喜ばれて嬉しいと同時に、おいしいお肉は全国どこにでもあるので“差別化”の必要性を感じていましたね。そこで思いついたのが、お肉を雪室で熟成させるアイデアでした」。雪室でにいがた和牛を熟成させるチャレンジを決めた内山さん。まったく未知であった熟成肉を研究するため、独自に試行錯誤を重ねた期間は丸5年間。苦労の連続だった研究開発の末に「別格 雪温貯蔵」の商標を取得し、新たな境地を開拓しました。
“雪国・新潟のストーリー”が伝わる特別な和牛を届けたい
全国屈指の豪雪地・南魚沼地域に住む人たちは、雪と共に共存しています。降り積もる雪は数メートルにもおよび、除雪などの手間がかかる苦労もありますが、その一方で恩恵ももたらしてくれる大切なお宝ともいえます。その一つが雪を有効活用した雪室です。
雪室とは、冬の間に降り積もる大量の雪を蔵に敷き詰めた?天然の冷蔵庫”。年間を通して温度差がなく冷涼な蔵内は、静かで振動もないため、にいがた和牛がストレスなく熟成できる最適な環境です。「雪室で熟成させることで、“新潟らしいストーリー”を感じ取れると思います。しんしんと降り積もった雪が、にいがた和牛をさらにおいしくしているんです」と内山さん。お肉の味わいだけでなく、地域ならではの独自性も大切にしています。
肥育名人が愛情を込めて育てるハイグレードの黒毛和牛
内山さんは、食味のいい和牛を見極める目も抜群に優れています。内山肉店で加工しているにいがた和牛は、南魚沼市から約60km北にある長岡市中之島育ち。県内でも指折りの肥育名人が育てる牛は、4等級または5等級のハイグレードな良品ぞろいです。
「内山肉店で扱う和牛は、そのほとんどが最高ランクの5等級。霜降り具合や脂の色、赤身の色を見極めて、お客さんに自信を持って提供できるお肉を選び抜いています」。自らがお肉の仕入れを行うという内山さん。信頼する生産者の黒毛和牛は、血統がいい子牛を選ぶことから始まり、牛が元気いっぱいに過ごせる環境を整え、愛情を込めて飼育をしているために、品質の高さが群を抜いているといいます。
口の中でとろける!希少なシャトーブリアンのおいしさに感動
和牛のプロフェッショナルである内山さんが、「最高の和牛」と胸を張るお肉とは、いったいどんな味なのでしょうか?今回、ふるさと納税返礼品として提供する「A4・5シャトーブリアン ヒレステーキ」は、牛ヒレ肉の中心部分にある肉質がキメ細やかな部位。一頭の牛からわずか数枚しかとれない希少なお肉です。
表面を香ばしく焼き、ミディアムレアに仕上げたステーキを、さっそくいただいてみましょう。ひとくち食べてまず驚くのが、ふわりと鼻に抜ける牛肉の甘い香りと、舌にのせたときの脂のとろけるおいしさ。口当たりの良い脂にしつこさはなく、甘味とうま味が口いっぱいに広がります。霜降りのバランス加減も完璧、かつ赤身部分は濃いお肉の風味が感じられ、これぞまさに「にいがた和牛」!雪室で熟成させた効果を存分に感じられる濃厚な味が最高です。味つけはシンプルに塩で食べるのが一番ですが、アクセントにワサビを添えるのもおすすめ。脂のうま味がワサビの風味と相まって、さっぱりとおいしくいただけます。
「別格 雪温貯蔵にいがた和牛」でハレの日の食卓に彩りを
“雪温貯蔵×にいがた和牛”で新たな境地を開拓した内山肉店。常に新しいことにチャレンジしていく姿勢はとどまることを知らず、現在は牛肉の発酵プロジェクトを手がけています。「優良菌と呼ばれる微生物を使って牛肉を発酵させることで、お肉の新しいおいしさを引き出す取り組みをしています。発酵熟成させることでナッツのような香りになり、爆発的にうま味がアップする革新的なお肉に変化するんです。現在開発中ですので、ぜひお楽しみに」
新作の研究開発に目を輝かせる内山さん。さらにこの夏は新しくレストラン「YUKIMRO WAGYU UCHIYAMA」をオープンし、たくさんのお客さんへ“にいがた和牛のおいしさ”を届けています。和牛に人生をかける内山さんが、自信をもってお届けする“最高のにいがた和牛”。記念日やお祝いごとなどの特別な日に、食卓を彩る主役として取り寄せてみてはいかがでしょうか。豪雪地・新潟の雪室で熟成させたお肉の豊かな味わいは、ハレの日をよりいっそう盛り上げてくれるはずです。
東北支部(新潟県南魚沼市担当) / 渡辺 まりこ(わたなべ まりこ)
秋田県出身、岩手県で大学生活を送り、現在は新潟県三条市在住。主人が“金物 のまち”を代表する職業の包丁職人ということから、地場産品に興味が芽生え、 ローカルのおもしろさを日々発信中。フリーライターとして活動しながら発酵教室も主宰しています。
南魚沼市は雪の色が美しいです。ただ真っ白いだけでなく透き通ったブルーの神秘的な色合いが素敵!