最高峰の魚沼産コシヒカリを栽培する塩沢地区
日本有数のお米の産地といえば新潟県。なかでも魚沼産コシヒカリはブランド米として有名ですが、魚沼地方の範囲は意外なほど広いということをご存じでしょうか? 実は7市町村が魚沼地方に分類されており、四方を山に囲まれている盆地である点は共通しているものの、地域によって品質や味わいは異なります。
魚沼産コシヒカリのなかでも高い評価を得ているのが旧塩沢町産で、その味は舌が肥えた魚沼在住人も絶賛するほど。贈答用の特別なお米として、一目置かれる存在となっています。全国食味検定において特A地区として高く評価される塩沢地区のコシヒカリとは、いったいどんな特徴をもつお米なのでしょうか。
もっちりした粘り&霜降り状のうま味成分がおいしさのヒミツ
塩沢産コシヒカリは、粘りが強く、うま味が強いのが特徴です。でんぷんの成分であるアミロースとアミロペクチンのバランスがちょうど良く、日本人好みのモチモチとした食感を楽しめます。食味や食感を低下させるタンパク質が極めて少ないため、粘りが際立っているのも特長です。
おいしさのヒミツは、お米の表面に深く根を張った霜降り状のうま味成分。多くの野菜や果物も、身と皮の間にうま味が多いのと同様、お米もヌカと接する部分に多量のうま味が含まれています。塩沢産コシヒカリは、精米した後の白米にも根を張るようにうま味成分が残っているため、高級米の名にふさわしい芳醇な味わいなのです。
豊富な知識と経験を活かした仕事ぶりのスタッフたち
「塩沢産のお米はほかと一味違います。農家さんが1年かけてつくった大切なお米だからこそ、私たちは誠心誠意でお客様にお届けしています」。こう語ってくれたのは、創業100年余の老舗お米専門店「塩沢米穀」のスタッフである原澤弘さんと高野俊郎さん。お二人とも南魚沼市出身でおいしいコシヒカリを食べて育ったため、お米の良し悪しの見極めに関してシビアな目をもっています。
「正直なところ、お米は天候によって毎年出来が違いますし、生産者によって多少味も異なります。それらを一定の水準で均一化し、『いつ食べてもおいしい!』と感動してもらえるような仕事をするのが、塩沢米穀の使命だと考えています」。聞けば、お米は「精米」と「ブレンド」で大きく味わいが変わるのだとか。長年の知識と経験を活かしたその技について、詳しく教えてもらいました。
手間とコストをかけたこだわりの3段式精米
塩沢米穀こだわりの精米は「刮剥(かくはつ)・摩擦・潤糠(じゅんこう)」の3段式。まずセラミックの刃で大まかにヌカ層を取り除いてから、最低限の摩擦でさらに削り、最後に湿ったヌカで白米に付着したヌカを除去するという極力お米に負荷をかけない方法がとられています。
こちらの機械は高価なため、魚沼圏内でも導入している企業は数少ないそう。それでも、塩沢米穀が精米に手間とコストをかけるのは、この工程がおいしさを決めると確証しているからにほかなりません。
精米は機械に任せるのではなく、人の目でお米の状態を判断し、調整しながら行うことが大切です。そのため、経験に優れた社長が直々に行い、表面にキズを付けない高品質な精白米に仕上げています。最終精米工程では独自の方法で仕上げることで、お米の乾燥を抑えてみずみずしい鮮度を保つことができるそうです。
お米のプロによるブレンドでいつでも最高の味をお届け
塩沢地区の契約農家によるコシヒカリを、バランス良く配合させる技術も腕の見せ所です。というのも、生産者によってその味にはバラツキがあるので、ただ精米して袋に詰めるだけでは、お客さんに届く製品の質は異なってしまいます。そうならないように最高の配合を考え、おいしさを均一化できるようにひと手間かけているのです。
お米のブレンドをする際、食味チェックは欠かせません。実際にブレンドした白米を炊いてみて、食味に厳しいプロフェッショナルたちがその味を判断します。塩沢産コシヒカリの名に恥じないよう、食味には細心の注意を払うとのこと。ときにはブレンドに納得がいかず、袋詰めした後でも商品を引き上げて調合し直すなど、採算度外視で満足できる味を追求しています。
甘みとうま味が際立つもっちり感のある味わいが最高!
塩沢米穀が自信をもって届ける最高峰の魚沼産コシヒカリ、そのおいしさは格別です。炊きたてのごはんから立ちのぼる心地良い香りと、ツヤツヤの見た目に食欲がかき立てられ、一口ほおばると粒が際立つもっちり食感を楽しむことができ、噛むたびにじんわりと広がる甘みとうま味が最高!ご飯だけでもずっと食べていたくなるくらい、ごちそう感のあるコシヒカリです。
お客さんからも感動の声が続々届いており、「家族みんなが絶賛の嵐でした」「おいしさに感激です」など、塩沢地区の農家が栽培する魚沼産コシヒカリが、ケタ違いに食味が良いことを証明しています。
塩沢地区100%!誰もが納得するおいしさのコシヒカリ
魚沼産コシヒカリはどれも同じでは?と思っている人は、ぜひ塩沢産コシヒカリを試してみてください。塩沢地区100%のお米を食べてみれば、その概念はきっと変わるはず。風味と食感の良さが格別で、誰もが納得するおいしさです。塩沢米穀のコシヒカリが評価されているのは、塩沢地区100%のお米であることはもちろん、表面にキズをつけない精米や均一化するブレンドの技術があってこそ。最高峰のコシヒカリ栽培の地である塩沢地区に誇りとプライドをもち、その名に恥じないような品質をめざしています。農家さんやスタッフたちの努力の結晶である“宝物のようなお米”。塩沢が自信をもって届ける極上のコシヒカリをぜひ味わってみてください。
中部支部(新潟県南魚沼市担当) / 渡辺 真理子(わたなべ まりこ)
新潟県三条市在住のフリーライター。主人が“金物のまち”を代表する包丁職人ということから、地場産品に興味がめばえ、ローカルのおもしろさを日々発信中。自身で米麹造りをするほどの発酵マニアでもあり、発酵食品に関する記事も多数執筆しています。
山々に囲まれた南魚沼の風景は、訪れるたびに感動!自然遊びができるスポットも多く、子供と一緒に楽しめます。