お話を聞いているうちに、「味見ができるわけではないのに料理する前にどうやっておいしい牛肉を見分けるのだろうか」と疑問が湧いてきたので、図々しいながらも岸田さんに職人技の一端を伺いました。
「牛肉の買い付けの際に、脂の”走り方”や業者さんの骨の抜き方などを見ます。視点はさまざまありますが、お店によって評価の基準が全然違うので、それがお店や職人の個性にあらわれるのだと思います」と岸田さん。また、直接農家の方と取引される場合もあるそうで、その場合は「オーダーメイド」のお肉を一緒に育てていくこともできるそう。「農家さんによって技術力が違うので、本当に信頼できる農家さんにお願いして契約牧場になっていただき、生産段階からおいしい牛肉を追求しています」。一般的に買い付けを行うバイヤーは生産工程にあまり携わらないと聞きますが、より良いお肉の追求のため、生産者と二人三脚で取り組まれている姿にプロ意識を感じました。ご家族で、ご友人と、ぜひ神戸の歴史を感じながら御賞味ください。
※写真は「肩ロースとモモのすき焼用(940g)」