金津創作の森で遊ぶ | 福井県あわら市の旅行レポート

福井県の最北端に位置し、北東部は石川県と県境を接するあわら市は、
田園風景に囲まれたのどかな温泉地・あわら温泉を有する市として有名です。
今回はそのあわら温泉から車で約15分の場所にある「金津創作の森」に注目。
豊かな自然を満喫しながらアートにふれる贅沢な時間を過ごすことができました。

人と自然とアートが交差する金津創作の森で遊ぶ | 福井県あわら市の旅行レポート

福井県の最北端に位置し、北東部は石川県と県境を接するあわら市は、田園風景に囲まれたのどかな温泉地・あわら温泉を有する市として有名です。今回はそのあわら温泉から車で約15分の場所にある「金津創作の森」に注目。豊かな自然を満喫しながらアートにふれる贅沢な時間を過ごすことができました。

20軒以上の宿が立ち並ぶ人気温泉

20軒以上の宿が立ち並ぶ人気温泉

 明治16年(1883)に水田の灌漑用井戸を堀ったところ、偶然湧き出たのが始まりといわれるあわら温泉。えちぜん鉄道のあわら湯のまち駅からすぐの場所にある「あわら温泉“芦湯”」は、地元の人を中心に人気の足湯スポットで、あわら温泉のシンボル的な存在です。数寄屋造の建物の屋根には、あわら温泉の最盛期を物語る「つるや旅館の展望室」を模した「湯けむり楼」を配置、足湯はそれぞれに温度が違う5つの浴槽が用意されており、足湯の湯巡りも楽しめます。
 また、あわら温泉には、個性豊かな温泉宿が20軒以上もあるので、好みの宿を見つけて、ゆったりとくつろいでください。なかでも、格調高い露天風呂付きの客室などを完備する「グランディア芳泉」は、あわら温泉を代表する名宿で、温泉はもちろん料理や客室のたたずまいなど、すべてに満足できると評判です。

〈上〉“芦湯”の外観。日々、地元の人の憩いの場として賑わう 〈左下〉この日の“芦湯”の「参の湯」は43.5度と少し熱めの温度設定 〈右下〉グランディア芳泉の離れの「ゆとろぎ亭」。庭園を眺めながらの湯浴が楽しめる


広大な森のなかに広がる、アートにあふれた空間へ

広大な森のなかに広がる、アートにあふれた空間へ

 今回の目的地は、あわら温泉“芦湯”からのどかな田園風景が広がる道を車で15分走った場所にある「金津創作の森」。幹線道路から森の中の道を抜けた場所にあるのが美術館アートコアとよばれる建物で、その名の通り施設全体の中核となるミュージアムです。常設展示はなく、毎回特別展を開催しており、国内外の有名アーティストなどの作品を鑑賞することができます。館内にはミュージアムのほか、レストランやショップなどもあります。
 森の入口に立つ存在感あふれるミュージアムでアート鑑賞を満喫したら、いよいよ建物の横の小径を通って深い森の中へと進んでいきます。総面積が21haもある広大な森の中には美しい自然の中に溶け込むようにしてアート作品が点在しています。

〈上〉平成11年(1999)にグランドオープンした金津創作の森の中心施設、美術館アートコア 〈左下〉館内のホワイエには自然の光が降りそそぐ 〈右下〉レストランに併設されたショップでは森の中に暮らす作家の作品が販売されている

 元々棚田や原生林だった土地のランドスケープを生かす形で整備された園内は、巨木が生い茂る森や開放感満点の芝生の広場、小川や池もあって起伏に富んだ地形になっています。そんな園内をのんびり散策していると、突如目の前に現れる野外アート作品との驚きのご対面です。最初のうちは、そのインパクトに圧倒されましたが、しばらく眺めているうちに、作品がまるで元からそこにあったかのように自然の景観に溶け込んで、木々の緑や小鳥のさえずりと見事に調和して見えてくるから不思議です。
 園内に16点ある野外作品は制作時からかなりの年月が経過。鉄の作品などはかなりサビており、それぞれツタが絡まったり木々に覆われたりして、本格的に自然と一体化し始めています。これらの作品はひょっとするとこれからが本当の見頃なのではないかという気持ちになりました。

〈上〉「森のアンリの小屋」(眞壁陸二作)。カラフルな作品が森の中にひっそりとたたずむ 〈左下〉「隠されたピラミッド(部分)」(土屋公雄作)。廃材を使って作られたピラミッド型の作品 〈右下〉小川流れる水辺の広場。周辺には野外作品が点在

 この施設のもうひとつの大きな特徴は、実際にさまざまなジャンルの作家が敷地内で暮らし、ここで創作活動をしているということです。現在は6名の作家のアトリエがあり、事前に申し込めば見学することもできます。この日は竹人形職人の山田さんのアトリエにお邪魔しました。
 福井県出身の山田さんが、地元を離れて暮らしている時にひょんなことから出会ったのが県の伝統工芸品・越前竹人形。以来その魅力に引き込まれ、地元に戻り竹人形制作に打ち込むようになったのだとか。「このあたりは上質な竹の産地でもあるんです。素敵な表情の竹をもとめて周囲の竹やぶを歩くことも多いんですよ」という山田さん。その素朴ながら趣深い作品は県下のさまざまな場所に展示され、多くの人に愛されています。
 次に訪れたのは、園内にあるレトロな雰囲気のカフェ コトノハ。こちらは作家の一人で陶芸家の大森正人さんの作品を紹介するギャラリーも兼ねた憩いの場所です。散策途中にマスター手作りケーキと香り高いコーヒーで休憩するのもおすすめです。

 園内にはほかにもガラス工房や陶芸などが体験できる創作工房もあり、来園者が実際に創作体験を楽しめます。広大な敷地内を散策しながら、さまざまなアートと出会える不思議な森をぜひ一度訪れてみてください。
(2019年9月)

〈左上〉越前竹人形の伝統の技法を守りながらも、オリジナリティあふれる作品を作り続ける山田さん 〈右上〉山田さんの作品。竹が持つ元々の表情を生かした作風 〈左下〉カフェ コトノハの店内。冬場は薪ストーブで暖をとる 〈右下〉自家製チーズケーキ300円とブレンドコーヒー400円

松乃露

松乃露

明治32年(1899)創業の老舗菓子店「浅野耕月堂」の看板商品で、初代当主が松林に自生するきのこの松露(しょうろ)を模して考案したという銘菓です。卵白と砂糖だけで作るシンプルなお菓子で、添加物を一切使用せずに、創業以来の伝統の製法で作られています。昭和天皇が芦原温泉開花亭に宿泊した際に、お代わりを御所望されたとの逸話も残っているのだとか。口の中に入れればたちまちに広がる上品な甘さや、素朴な味わいゆえに抹茶からブランデーまでさまざまな飲み物に合わせることができ、全国に多くのファンがいる逸品です。
※掲載の「お礼の品」は品切れや季節の都合で受付を終了・中止していることがあります。

小さな卵形のきのこ松露に土がかぶさった様子をコーヒーの粉をかけて表現

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SPOT LIST

あわら温泉“芦湯”(あわらおんせん“あしゆ”)

【電】0776-78-6767(あわら市観光協会)【住】福井県あわら市温泉1-1【交】北陸自動車道金津ICから車で15分【料】足湯無料【時】7~23時【休】無休【P】なし

グランディア芳泉(ぐらんでぃあほうせん)

【電】0776-77-2555【住】福井県あわら市舟津43-26【交】北陸自動車道金津ICから車で15分【料】1泊2食1万6500円~【P】300台

金津創作の森(かなづそうさくのもり)

【電】0776-73-7800(美術館アートコア)【住】福井県あわら市宮谷57-2-19【交】北陸自動車道金津ICから車で5分【時】9~17時【休】月曜(祝日の場合は翌平日)【P】230台

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