歴史ある温泉郷に誕生した 最先端の「総湯」 石川県 加賀市

石川県南西部に位置する加賀市は、個性的な3つの温泉地があることで知られています。
その中の一つ、片山津温泉にある「総湯」とよばれる共同浴場は、その圧倒的なロケーションと
世界的な建築家による革新的な建物が見事にマッチして、唯一無二の世界を造り出しています。
名湯、建築、美しい景観、そしてご当地グルメも堪能できる新時代の共同浴場を訪ねてみました。

歴史ある温泉郷に誕生した 最先端の「総湯」 石川県 加賀市

石川県南西部に位置する加賀市は、個性的な3つの温泉地があることで知られています。その中の一つ、片山津温泉にある「総湯」とよばれる共同浴場は、その圧倒的なロケーションと世界的な建築家による革新的な建物が見事にマッチして、唯一無二の世界を造り出しています。名湯、建築、美しい景観、そしてご当地グルメも堪能できる新時代の共同浴場を訪ねてみました。

3つの温泉地の異なるロケーションを楽しむ

3つの温泉地の異なるロケーションを楽しむ

 加賀市には、なだらかな丘陵地にある山代温泉、山あいの渓谷沿いにある山中温泉、そして湖のほとりにある片山津温泉と3つの温泉地が存在します。それぞれロケーションは異なりますが、約15km圏内に集まっています。
 今回は3つの温泉地を巡ってみることにしました。まず訪れた山代温泉で目を引いたのは「加賀山代温泉 古総湯」。総湯とは、北陸の温泉地でその中心となる共同浴場を指す呼称で、「古総湯」は明治時代の総湯を復元したもの。床や壁の九谷焼タイルなど細部まで忠実に再現されており、温泉街のシンボルとして親しまれているそうです。
 次に向かった山中温泉では、大聖寺川沿いに設けられた「鶴仙渓・川床」を訪ねてみました。こちらの川床では、地元出身の料理人・道場六三郎氏がプロデュースしたスイーツを味わいながら、渓谷美を堪能することができます。

〈上〉明治19年(1886)建築当時の様子が忠実に再現された古総湯 〈左下〉山中温泉街に沿って流れる鶴仙渓は遊歩道が整備されており、温泉街から川床までは徒歩で行ける距離 〈右下〉道場六三郎氏プロデュースの川床ロールと加賀棒茶がセットになった川床セット600円


柴山潟の湖畔に建つ近未来的な建物

柴山潟の湖畔に建つ近未来的な建物

 3つ目に訪れたのが片山津温泉。その始まりは江戸時代の承応2年(1653)にまで遡るという歴史ある温泉地で、霊峰白山を望む柴山潟の畔に位置しています。
 平成24年(2012)にオープンした「片山津温泉総湯」は、他の温泉地の総湯とはかなり雰囲気が異なります。ニューヨーク近代美術館なども手がけた世界的建築家・谷口吉生氏の設計で、その圧倒的に存在感がある建物は、まさに共同浴場というより美術館のような印象です。
 建物全体はガラス張りになっており、中にいながらも自然との一体感を感じられる造りになっています。北に向くと柴山潟、南へ向くと緑の森の美しい景観が視界に広がり、まるで大きなスクリーンを見ているようです。管理スタッフの方にお話を伺うと、「潟と森という2つの対照的な景色を同時に楽しむことができるのが、この施設の一番のセールスポイントです」と教えてくれました。

〈上〉エントランスの緩やかなスロープの先に総ガラス張りの建物が立つ 〈左下〉建物の中に入ると、いきなり目の前のガラスの向こうに柴山潟が広がる 〈右下〉1階に温泉施設、2階にはカフェが入る

 温泉は「潟の湯」と「森の湯」という2つの浴場があり、男女の浴場が日替わりで入れ替わります。森の湯では目の前の緑豊かな森の風景を、潟の湯では柴山潟やその向こうの白山連峰の景色を楽しむことができます。湯は72度で湧く源泉を加水せずに使用しているため、少し熱めの温度設定で、かすかな塩分を感じる美人の湯です。今回は森の湯に入りましたが、美しい緑を眺めながらの入浴は、この上ない贅沢な時間でした。
 「湯上がりには周辺の散策もおすすめです」と管理スタッフの方が教えてくれました。総湯から柴山潟の湖畔までは遊歩道が整備されており、徒歩2~3分のところには、片山津に残る伝説にちなんで弁財天と竜神を祭った浮御堂もあります。また柴山潟は、時間や天候の移ろいによって一日に7回も湖面の色を変えるともいわれるそうです。遊歩道散策ではその神秘的な美しさを体感することもできました。

〈上〉森の湯の浴場。内風呂でありながら露天風呂のような開放感が味わえるデザインが特徴的 〈左下〉潟の湯からは窓いっぱいに広がる柴山潟の景色が望める 〈右下〉総湯の建物から遊歩道へ直接出ることができる

 片山津温泉の魅力はまだあります。建物2階には「まちカフェ」が入っており、2階にある分、1階の浴場以上に開放感満点のロケーションの中、ゆったりと寛ぎの時間を過ごすことができます。特にテラス席の「潟テラス」では、目の前に遮る物が何もないスケールの大きな景観が楽しめます。
 まちカフェのおすすめメニューは、地元名物や地の食材を巧みに取り入れたスイーツや軽食。なかでも人気の「まちバーガー」は片山津温泉名物の温泉たまごと一緒にいただくハンバーガーで、片山津ならではのご当地グルメの一つです。ほかにも、地元食材をふんだんに使用した加賀市推奨の「加賀パフェ」などもあり、メニューのバリエーションは豊富です。

 片山津温泉総湯のコンセプトは「温泉文化を継承しつつ、市民と観光客が交流できる、現代にふさわしい温泉施設」というもの。まちカフェはまさにそのコンセプトを体現した施設で、総湯が単なる温浴施設という枠を越えて、プラスアルファのさまざまな付加価値を見いだすことができる場所であることを象徴しているように感じました。
(2019年6月)

〈上〉柴山潟や白山連邦が一望できる潟テラス 〈左下〉まちカフェは店内もすっきりシンプルなデザインで開放感満点 〈中央下〉加賀パフェ950円には丸八製茶の献上加賀棒茶などが付く 〈右下〉まちバーガーはドリンクセットにできる

合鴨ロース煮180g

合鴨ロース煮180g

加賀市では古くから鴨猟が盛んで、鴨料理を味わえる料亭が点在。その加賀市大聖寺にあって、江戸時代から伝わる伝統猟法「坂網猟」で捕らえた天然鴨の料理を提供しているのが老舗の「料亭 山ぎし」です。店では鴨特有の滋味をたっぷり味わえるコース料理などをリーズナブルな価格で提供しています。今回のお礼の品は、長年鴨料理に携わってきた料理人が厳選して仕入れた上質の合鴨ロース肉を、甘辛い自家製だしで煮た「合鴨ロース煮」。一口食べると肉の旨みと甘み、さらに鴨特有の滋味深い味わいが感じられる一品で、天然鴨に勝るとも劣らない味わい深いものに仕上がっています。
※掲載の「お礼の品」は品切れや季節の都合で受付を終了・中止していることがあります。

日本酒やワインなどのお酒と合わせたら抜群のアテに

SPOT LIST

加賀山代温泉 古総湯(かがやましろおんせん こそうゆ)

【電】0761-76-0144【住】石川県加賀市山代温泉18-128【交】北陸自動車道加賀ICから車で15分【料】入浴料500円【時】6~22時【休】第4水曜の午前中【P】周辺駐車場利用

鶴仙渓・川床(かくせんけい・かわどこ)

【電】0761-78-0330(山中温泉観光協会)【住】石川県加賀市山中温泉【交】北陸自動車道加賀ICから車で20分【時】4月1日~11月30日の9時30分~16時※11月は10〜15時【休】期間中、河川増水による中止やメンテナンス休業あり【P】あやとりはし駐車場利用

片山津温泉総湯(かたやまづおんせんそうゆ)

【電】0761-74-0550【住】石川県加賀市片山津温泉乙65-2【交】北陸自動車道片山津ICから車で10分【料】入浴440円【時】6~22時【休】無休(臨時休業あり)【P】50台

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