キリンの自信作「SPRING VALLEY 豊潤<496>」
全国9カ所にあるキリンビール工場。中でも、滋賀県多賀町と彦根市にまたがる滋賀工場は、約10万キロリットルの製造能力があり、「キリン 一番搾りビール」などを製造しています。2021年春、製造ラインナップに新たに仲間入りしたのが「SPRING VALLEY 豊潤<496>」。「クラフトビールらしい個性」と「毎日でも飽きないようなおいしさ」の両立の実現を目指したこだわりの逸品です。
その由来は、1870年に設立した、日本のビール産業の礎を築いたビール醸造所「スプリングバレー・ブルワリー」から。気になる数字の「496」は、完全数(※その数字自身を除く約数の和がその数字自身に等しい自然数)が由来。完全なビールを目指す造り手の願いや探究心が込められています。実際にスプリングバレーを飲んだお客さまからは「奥深く衝撃的な味でおいしい」「ビールは苦いとのイメージから敬遠していたが、今やスプリングバレーのとりこ」との声が続々と届いています。
湖の恵みと物流の強みを生かして誕生したキリンビール滋賀工場
こちらが、1974年に完成した滋賀県多賀町と彦根市にまたがる「キリンビール滋賀工場」。工場が誕生した理由は、豊かな水源と物流の利便性にありました。日本一大きな湖、琵琶湖からほど近い距離にある滋賀工場では、ビールの製造にも琵琶湖の水を使用。そして、名神高速道路「彦根インター」へのアクセスの良さ。琵琶湖がもたらす水の恵みと輸送能力の高さを生かし、滋賀工場で製造されたビールは、大阪をはじめとした近畿地方(西日本)を中心に出荷されています。
滋賀の自然環境の中で受け継がれる、ビールの研究
今回お話を聞いたのは、キリンビール滋賀工場で働く、醸造エネルギー担当の佐藤淳史さん。ビールの中身づくりに携わる部署です。薬学部で学んだのち、ビールの製造や商品開発、キリンのクラフトビール事業に興味を持ち就職を希望。日々、おいしいビールを安定供給できるよう試行錯誤を重ねる日々が続きます。
「24年間東京で過ごしていたので、入社と共に滋賀県に来ました。滋賀県の印象は、自然が豊かで琵琶湖がすごく近い。湖や山が近くにある生活も初めて。自然と触れ合えるという意味で、とてもいいですね」。スプリングバレーをはじめとしたキリンのビールが生み出される滋賀の環境は、佐藤さんをはじめ多くの人を魅力しています。
10年の時を経て誕生、原料と製造工程に自信
構想期間約10年、試験醸造約250回。さらに最終レシピの開発にもおよそ1年かけて誕生したスプリングバレー。芳醇なコクや満足感、バランスのよい香りの理由は、キリンラガービールの約1.5倍の麦芽と4種類のホップ。濃いめの液色は、ローストした麦芽の使用によるもので、苦味や雑味を抑えるため、ビールをスッキリと仕上げるときに使う「インフュージョン法」(全体の温度を徐々に上げる糖化方法)を採用しています。
さらに注目すべき点は、2011年にキリンビールが独自に開発した「ディップホップ製法」です。ビール醸造の発酵中に、酵母と一緒にホップを入れることで、豊潤な香りを実現。スプリングバレーは、ホップを7日間漬け込む“前代未聞”の製法を選択しています。
クラフトビールを通して、ビールのおいしさを再発見
一般的にプレミアムビールは、ビールの中でも品質が高いビールとしてカテゴライズされていることが多いもの。「その中でもクラフトビールは、プレミアムビールの既存の枠にとらわれず、さまざまな製法や原材料を使い、多様なおいしさを生み出していくビールです。キリンでは、 “造り手の感性と創造性が楽しめるビール”をクラフトビールとして定義しています」と佐藤さんは語ります。
魅力たっぷりのスプリングバレーは、もちろん、佐藤さんも大好きなビール。一般的なビールよりも味が濃く、ズシンとくる感じや豊かなホップの香り、フルーティな味わいがお気に入りとのこと。ステーキやローストビーフなどの肉料理やしっかりとした味付けの料理とも相性抜群です。
「個人的には、ビール単体でもおいしく飲めます。ビールのプロフェッショナルたちが愚直においしさを求めて造っていますので、ぜひ飲んで楽しんで味わってください。造り手の顔を思い浮かべながら飲んでいただけると嬉しいです」と笑顔で語ってくれました。
自宅でスプリングバレーをおいしく飲むコツ“三度注ぎ”
今回、自宅でスプリングバレーをおいしく飲むためのコツについて教えていただきました。
1.ゆっくり缶を開ける
2.グラスは置いたまま、グラスに勢いよく注ぐ(7割くらいまで泡を入れる)
3.グラスの中の大きな泡が消え、細かな泡の層ができるまで待つ。
4.泡が落ち着いたら、グラスを傾けて縁に沿わせながらゆっくり注ぐ。泡の層をつぶさないように丁寧に。
5.こぼれないように、ゆっくりグラスを立たせる。
6.液と泡は7:3の割合がベスト。味わいを楽しみましょう!
早速、教えてもらった注ぎ方を実践してみました。実は、ビール独特の苦味に苦手意識があった私。でも、スプリングバレーはとても飲みやすく、後味もスッキリ!これならおいしく楽しめます。
歴史のあるキリンビールならではの王道感とクラフトビールとしての独自の美味しさが両立された、スプリングバレー。ぜひ、家飲み時間のお供に味わってみてください。
キリンビール滋賀工場で体験できる、大人の社会見学
キリンビール滋賀工場では、工場見学にも力を入れています。商品の製造工程を公開し、商品の魅力や安全性をPR。普段私たちが飲んでいるビールが、どのようにしてできあがっているのかを見ることで、より商品に対する愛着が湧いてくると好評です。工場見学の雰囲気を気軽に楽しめる「360°楽しめる。キリン一番搾り おいしさ体感オンラインツアー」もキリンビールの公式サイトで公開。見学施設の一部リニューアルを経て、2021年秋以降、新たな工場見学ツアーが開始します。
お客さんに満足していただけるように全力で取り組むキリンビール滋賀工場。自宅でビールを味わった上で、ぜひいつの日か工場に足を運んでみてください。さらにキリンビールのファンになるはずです!
中部支部(滋賀県彦根市担当) / 松岡 人代(まつおか ひとよ)
滋賀県甲賀市出身、在住。高知県・四万十農協広報勤務を経て、滋賀県へUターン。2015年よりフリーライターとして、WEBサイトやパンフレット等の掲載文章の取材・執筆を手がけています。外に出たことで滋賀の地域や人の魅力を改めて実感! 面白い人たちが集まるコワーキングスペース「今プラス」スタッフとしても活動中。
彦根城や夢京橋キャッスルロードをはじめ、観光地としても人気の彦根。彦根港からの船旅もおすすめです!