都市機能と自然が調和するまち・北海道旭川市
北海道のほぼ中央に位置する旭川市は、札幌に次ぐ「第2の都市」とも呼ばれ、人口約33万人が暮らすまち。JR旭川駅の外へ一歩足を踏み出すと、日本初の恒久的歩行者天国「平和通買物公園」が約1kmに渡って続き、その周りを囲むようにして多くの商業施設や文化施設、医療施設などが集まっています。
全国トップレベルの「米どころ」
一方、雄大な大雪山に見守られる旭川は、四季の変化に富み、夏は30℃を超え、冬にはマイナス30℃を記録する地域もある、自然豊かなまち。寒暖差が激しい盆地特有の気候によって、実りのよいお米が育つ「米どころ」としても全国にその名を馳せています。
令和元年産米では38,300トンの収穫量を誇る産地であり、味・品質ともに全国的に高評価を得ている旭川の稲作。その背景にあるのは、約130年前の開村時にスタートした寒冷地でのゼロからの米づくり。冷害、「やっかいどう米」と揶揄される時代があってもなお「この地でおいしいお米を作りたい」という先人たちの涙ぐましい努力と、試行錯誤の歴史が今に繋がっているのです。
東鷹栖からおいしいお米を届ける「中谷米創」
そんな米どころ旭川市のなかでも、昔から稲作地帯として歴史のある東鷹栖(ひがしたかす)エリア。この地で3代にわたり約100年ほど水稲の作付けを中心に農業を展開している「なかや農場」を支える一人であり、株式会社 中谷米創(なかやべいそう)の代表を務める中谷 仁(なかや ひとし)さんからお話を聞きました。
東鷹栖で生まれ、農業を営む両親の背中を見て育った中谷さんは、農学部のある本州の大学で学んだ後、十勝・帯広にて農業資材を販売する営業職を8年経験。当時関わりのあった農家さんがもつ農業への誇りや地元愛に触れたことをきっかけに、「なかや農場」の未来を見据えてUターンしました。現在は、ご両親とともに農業に励みながら販売会社を設立し、おいしいお米づくりとお届けに情熱を注いでいます。
丹精込めて育てる「雪蔵米(ゆきぐらまい)」
そんな「なかや農場」で育てられているお米は、全3品種。かつての北海道米のイメージを一新することとなった、適度な粒感と噛むほどに広がる甘みが特徴の「きらら397」、冷めてもおいしく、甘みと粘りのバランスのよい「ななつぼし」、北海道が米どころとして地位を確立する後押しとなった、強い甘みと粘りのある「ゆめぴりか」です。食味ランキング(※)において、「ななつぼし」と「ゆめぴりか」は9年連続で最高位の「特Aランク」を獲得しています。
※一般財団法人 日本穀物検定協会調べ。複数産地「コシヒカリ」のブレンド米を基準米と比べてランク付け。特に良好な「特A」、良好な「A」、おおむね同等な「A´」、やや劣る「B」、劣る「B´」の5段階評価。 ※ゆめぴりかの22年度米は参考品種。
「なかや農場」のお米がおいしい秘訣
「なかや農場」のお米のおいしさの秘訣は、なんといっても「土づくり」。収穫後に出る稲わらやもみ殻を配合して自家製の堆肥を作り、土壌へと還元することで微生物のはたらきを促しています。栽培方法には、稲作では珍しい「ミネラル栽培」を採用。亜鉛やモリブデン、コバルトなど11種類以上の微量要素成分(作物の生育に必要不可欠な栄養成分)の使用で肥料にもこだわり、作物がより健康的に生育するよう取り組んでいます。
また、安心・安全に食べられるお米を作るべく低農薬栽培にも注力。ふきの葉から抽出した葉液を使用することで雑草の成長を抑え、色彩選別機を導入することで殺虫剤の使用を減らすなど、農薬の使用回数は慣行栽培の50%~64%減を目指して栽培しています。
さらに、お米を作るうえで大切なのが「水の管理」です。成長とともに背を伸ばす稲と雨量によって日々状態が変化する水田は、水が浅すぎて稲が乾いてしまう場合はもちろん、逆に深すぎても稲にとってはストレスとなってしまいます。
おいしいお米づくりには、稲の状態を見極めて水量をコントロールすることが必要不可欠。時期や稲の成長に合わせて、できる限りストレスとならない程度の浅い水量を保つために、毎朝と夕方の見回りが欠かせない日課となっているのです。
「おいしかった」の声が原動力に
農業は、自然を相手にする仕事。天候や気温、災害など、人間の力ではコントロールできない部分も大きいなかで、日々さまざまな状況に耐えうるタフさも求められます。雪のまだ少し残る田を耕す春、ぐんぐん稲を伸ばす緑あふれる夏、一面に絨毯のごとく広がる黄金色の稲穂がみられる秋。
無事に収穫の時を迎え、お客さまの手元にお米が届いたあとにはメールや電話、お手紙が届くことも多いそうです。「『今まで食べたなかでもおいしかった。友人も喜んでくれた』という言葉をいただけた時がやっぱり嬉しいですし、やりがいを感じますね」と語ってくれた中谷さん。時々贈り物も届くそうで、中谷さんのお米に対する情熱がお客さまに伝わり、そして愛されていることがわかるエピソードに、とても心が温まる想いでした。
北海道の真ん中、雪国旭川から全国へ
丹精込めて育てられたお米は「雪蔵米(ゆきぐらまい)」として道内外のご家庭に届けられています。日本全国のみなさんに「お米の名前から雪国の旭川をイメージしてもらいたい」という想いで名付けられたお米。「“育てた人の顔がわかるところで買いたい”“農家と直接繋がりたい”という想いを持っている方に、ぜひうちのお米を食べてほしいですね」と中谷さんは意気込みます。
白いごはん本来のおいしさを存分に味わって
そんな「なかや農場」のお米を販売する中谷米創(なかやべいそう)から、食味ランキングで特Aランクと評価の高い「ゆめぴりか」5kgを月に一度、6ヶ月の定期便(10月?12月は新米)でお届けします。
「甘みと粘りが強く、そのままシンプルに白いごはんで食べると本来のおいしさが際立って抜群においしいです!」と中谷さんも太鼓判を押す北海道のブランド米。おいしいお米を届けることで地元に貢献したいという中谷さんや、北海道のお米づくりの歴史に思いを馳せながら、ぜひ大切な方との食卓でお楽しみください。