徳川家康が幕府を開くきっかけとなった“開運のまち”や、
伝統工芸の結城紬の生産地として知られる小山市は、実はイチゴの栽培も盛ん。
市内にある巨大イチゴ農園では、フルーツ狩りを楽しめるのはもちろん、
高値で販売されることもある絶品イチゴを使用したスイーツも味わえます。
徳川家康が幕府を開くきっかけとなった“開運のまち”や、伝統工芸の結城紬の生産地として知られる小山市は、実はイチゴの栽培も盛ん。
市内にある巨大イチゴ農園では、フルーツ狩りを楽しめるのはもちろん、高値で販売されることもある絶品イチゴを使用したスイーツも味わえます。
関ヶ原の合戦直前の慶長5年(1600)7月、徳川家康が下野国小山(現在の小山市)で諸将たちを招集して開いた軍議、小山評定。この軍議が戦いの勝利とのちの江戸幕府成立につながったことから、小山市は“開運のまち”とよばれています。
また、小山市はユネスコ無形文化遺産にも登録されている伝統工芸、結城紬の生産地としても有名です。その情報発信拠点である「おやま本場結城紬クラフト館」では結城紬に関する展示が見られるほか、事前に予約すれば、着付けと散策が楽しめる着心地体験も可能。実際に着物に袖を通してみると、軽くてふんわりとした着心地に驚かされました。
〈上〉小山市役所の駐車場の一角に「史跡 小山評定跡」の石碑が立つ 〈左下〉おやま本場結城紬クラフト館はJR小山駅のすぐ目の前 〈右下〉無料、予約不要で体験できる地機織り体験。着心地体験は有料、要問合せ
おやま本場結城紬クラフト館から車で走ること約15分、今回の目的地「いちごの里」に到着です。イチゴの生産量日本一の栃木県にはイチゴ狩りを体験できる観光農園は数多くありますが、150棟ものビニールハウスが並ぶこちらの農園は、県内随一の規模を誇っています。
完全予約制・30分食べ放題のイチゴ狩りは、スカイベリー、とちおとめ、とちひめの3品種から選ぶことができます。なかでも注目は、平成26年(2014)に品種登録された栃木県生まれの新品種、スカイベリー。一粒500円で販売されることもある高級品種で、スカイベリー狩りができる施設は県内でも珍しいそうです。
イチゴのシーズンは12月上旬~5月中旬ですが、5月下旬~9月下旬にかけては、サクランボ、モモ、ブルーベリー、ブドウなど、さまざまなフルーツ狩りも季節ごとに楽しめます。
〈上〉6月下旬~9月下旬はモモ狩りのシーズン。フルーツ狩りの料金は品種や収穫時期によって異なるので要問合せ 〈左下〉1粒約25gもある大粒サイズのスカイベリー。甘みと酸味のバランスがよくまろやかな味わい 〈右下〉14ヘクタールの広大な敷地に、イチゴハウスや果樹園が広がる
「いちごの里」の魅力は、フルーツ狩りだけではありません。敷地内のカフェ「アンジェ・フレーゼ」では、自社農園のフルーツを使用した絶品スイーツを堪能できます。
「高級イチゴのスカイベリーが盛りだくさんで、食べごたえがありますよ」とスタッフの奈良郁絵さんが太鼓判を押すのは、11月下旬~5月頃の限定メニュー「スカイベリーのパンケーキ」1620円。高級品種をふんだんに使用したスイーツをこの価格で味わえるのは農園直営ならでは。6~10月には、なつおとめという品種を使ったスイーツが登場することもあるそうです。
夏期は日光天然氷を使ったかき氷もおすすめです。農園の果実で手作りする自然な甘みのシロップと淡雪のような氷が、口の中で一瞬にして溶けていきます。
〈左〉6月中旬~9月初旬限定のイチゴのかき氷870円。「口溶けがいいのでペロリと食べられちゃいますよ」と奈良さん 〈右上〉スカイベリーのパンケーキ。とちおとめを使用した「天使のパンケーキ」1190円も人気 〈右下〉希少ななつおとめを使用した「なつおとめ3号タルトレット」430円
園内には「アンジェ・フレーゼ」のほかにも、地産地消にこだわったビュッフェスタイルのレストラン「いちご一会」、新鮮なフルーツや野菜を使った手作りジェラートが15種類以上並ぶ「ジェラートハウスCAMPO」など、多彩な飲食店が揃っています。
もちろん、みやげ選びに最適なショップ「ベリーベリーマルシェ」も外せません。人気ナンバーワンのバウムクーヘンは、小麦粉や卵も栃木県産にこだわった逸品。季節のフルーツをふんだんに使用したジャムなども充実しています。
四季を問わず、フルーツ狩りからグルメ、ショッピングまで多彩な楽しみ方ができる農園リゾート、いちごの里。最寄駅となるJR小山駅は東北新幹線も停まるので、ぜひ気軽に訪れてみませんか。(2018年8月)
〈上〉ベリーベリーマルシェには、おみやげにぴったりのイチゴを使ったお菓子やジャムがずらり 〈左下〉ベリーベリーマルシェの前にはレトロなトラクターが。自由に乗って写真撮影もOK 〈中央下〉ジェラートハウスCAMPOのジェラート。2種類選べるダブル カップ400円〜 〈右下〉ヤギやヒツジとふれあえる動物広場もある。えさやりは100円
小山市が県内トップの生産量を誇る小麦粉、イワイノダイチ。その小麦粉を使ったうどんは開運小山うどんとよばれ、ご当地グルメとして親しまれています。市内に4店舗を構える「藤エ門」の看板メニューは開運肉汁うどん。肉と野菜の旨みがたっぷりの熱々のつけ汁に、もちもち食感の手打ちうどんをつけて食します。
一番人気の開運肉汁うどん750円。豚肉の旨みが溶けた濃いめのだしに麺が絡む
史跡 小山評定跡(しせき おやまひょうじょうあと)
【電】0285-30-4772(小山市観光協会)【住】栃木県小山市中央町1-1-1【交】JR小山駅から徒歩8分【料】【時】【休】見学自由【P】1000台(小山市役所駐車場利用)
おやま本場結城紬クラフト館(おやまほんばゆうきつむぎくらふとかん)
【電】0285-32-6477【住】栃木県小山市中央町3-7-1 ロブレビル1階【交】JR小山駅から徒歩すぐ【料】入場無料【時】9~18時【休】12月30日~1月1日【P】近隣駐車場利用
いちごの里(いちごのさと)
【電】0285-33-1070(受付9~17時)【住】栃木県小山市大川島408【交】JR小山駅からコミュニティバス道の駅線で約25分、いちごの里下車、徒歩すぐ【料】入場無料(体験料金は別途)【時】施設により異なる【休】無休【P】100台
藤エ門 本店(ふじえもん ほんてん)
【電】0285-25-0311【住】栃木県小山市城北6-1-4【交】JR小山駅から徒歩13分【時】11~15時、17~21時(土・日曜、祝日は11~21時)【休】火曜【P】30台(共有駐車場)