箱根観光の中心地、強羅
神奈川県箱根町の中心に位置する、強羅（ごうら）。箱根湯本駅で箱根登山電車に乗り換え、約40分ほど、カーブや多数のトンネル、鉄橋を越え、ガタゴトと揺られながら向かいます。大正8年の箱根登山鉄道の開通によって発展した温泉場で、政財界や文人たちの別荘地として栄えてきました。駅周辺には、今も飲食店や土産物店が数多く立ち並んでいます。そんな強羅駅から徒歩3分ほど、老舗の温泉旅館「強羅花壇」に隣接する懐石レストラン「懐石料理 花壇」を訪ねました。
今回ご紹介する返礼品は、「懐石料理 花壇」で懐石料理をいただくことのできるお食事券。熟成された時を感じる上質な空間で、箱根の自然を愛でながら、四季折々の旬の素材、その味わいを生かし、一品一品丁寧に仕上げられたお料理の数々を、ゆっくりとお楽しみいただくことができます。
由緒ある、クラシカルな料亭旅館
料亭旅館である「強羅花壇」は、かつて政財界の別荘地として栄えた強羅の地に閑院宮載仁親王（かんいんのみや ことひとしんのう）が構えた別荘を、戦後に創業者が譲り受けたことから始まりました。その別邸跡地に、昭和27年に開業。大規模な改装工事の後、象徴的な「柱廊」（写真上）を含めた現在の「強羅花壇」が平成元年に完成しました。
竹林の緑と渓流の水音に包まれた月見台からは明星ヶ岳を望み、柱廊といわれる廊下は120ｍの長い直線とガラス格子、山の自然とのハーモニーが圧巻。開放的な建築の館内で、四季折々の豊かな自然を感じることができます。
今回訪れた「懐石料理 花壇」は、宿泊ではないお客様も利用できる懐石料理レストランです。昭和初期に建てられた由緒ある宮家ゆかりの洋館「旧閑院宮別邸」は昭和レトロな雰囲気が漂い、とてもクラシック。
中世ヨーロッパを想わせる佇まいや、現代では造れない味わいを持ったステンドグラス、典雅なアールデコ様式の意匠が施された内観を楽しめるほか、かつて晩餐会が開かれたダイニングや様々な趣きの個室が用意されており、ご家族やご友人など大切な人と時間を過ごすにはぴったりの場所です。
「宿もレストランも、訪れていただくお客様に極上の体験をしていただけるよう、一人ひとりに対し時間をかけて丁寧な接客を行っています。空間のみならず、『ここに来てよかった』と心から感じていただけるような『強羅花壇のおもてなし』を通して、さらに記憶に残る体験へと昇華させることを大切にしています」と強羅花壇。伝統を守りつつも「お客様により満足いただける『強羅花壇』へ」と、常に挑戦や進化を続けています。
自然からの恵みをいただく彩り鮮やかな「旬の膳」
そんな極上の空間、おもてなしの中でいただける懐石料理は、全国各地より厳選された旬の素材や、地の新鮮な魚介類の旨味を引き出し、一流の料理人の手で一品一品丁寧に仕上げられ、四季の彩りが鮮やかに表現されています。献立は月ごとに変わるのだとか。
取材をさせていただいたのは、3月のこと。この月の八寸（ひと口サイズの海の幸と山の幸とが数種類盛られたお皿）には、山桜が添えられ、新じゃがやタラの芽、子持ちヤリイカや白魚といった春の食材が贅沢に使われていました。
「懐石料理には、『旬の食材を用いる』『素材の持ち味を大切にする』『相手への心配りをもって調理する』という3つの原則があります。季節ごと、月ごとに献立をご用意しておりますので、足を運んでいただく折々に新しい味を楽しんでいただけます」（強羅花壇）。毎月、総料理長と女将とで意見を交わして献立や食材が決まり、見た目から楽しんでいただけるように器まで吟味するなど、こだわり尽くされているそうです。「五感で一年の四季の移ろいを感じられることが、懐石料理の醍醐味だと思います」（同）
日頃の喧騒から離れて、しばしの非日常へ
「なかなか足を運んでいただく機会のなかった方にも、ふるさと納税の返礼品を通じて多くの方に本物の懐石料理の素晴らしさや奥深さを愉しんでいただきたいと思います」。特別な日に、大切な人と。日常の喧騒から離れ、少し足を伸ばして箱根・強羅まで。美しい四季の移ろいを感じながら、至福のひとときをお過ごしいただけたら幸いです。
関東支部（神奈川県箱根町担当） / 庄司 賢吾（しょうじ けんご）・真帆（まほ）
夫婦で土曜日だけの珈琲店「アンドサタデー」を営む傍ら、逗子・葉山を拠点に、企画や執筆、撮影、デザインなど編集カンパニーとして活動しています。記事を通して、事業者さんの人柄や温かみをお伝えしていきたいと思っています。
歴史ある温泉街と大自然に癒され、手しごとやアートに刺激を受ける。箱根は、少しの非日常に身を置きたい時に訪れたくなる街です。
