黄金色の特大フカヒレ丼 | 宮城県気仙沼市の旅行レポート

宮城県北の三陸海岸に位置し、日本屈指の水産都市として“海と生きる”気仙沼市。
恵まれた海の幸のなかでも、生鮮カツオやメカジキと並び、日本一の水揚げを誇るのがサメです。
独自のサメ文化に触れようと、サメにまつわるスポットが点在する市内を巡り、
日本唯一のサメ専門博物館やフカヒレが味わえる人気店を訪れました。

黄金色の特大フカヒレ丼 | 宮城県気仙沼市の旅行レポート

宮城県北の三陸海岸に位置し、日本屈指の水産都市として“海と生きる”気仙沼市。恵まれた海の幸のなかでも、生鮮カツオやメカジキと並び、日本一の水揚げを誇るのがサメです。独自のサメ文化に触れようと、サメにまつわるスポットが点在する市内を巡り、日本唯一のサメ専門博物館やフカヒレが味わえる人気店を訪れました。

赤瓦の社殿が美しい普天満宮を訪ねる

赤瓦の社殿が美しい普天満宮を訪ねる

 サメを巡る旅のスタートは、気仙沼漁港にある「気仙沼市魚市場」から。こちらは世界三大漁場の一つである三陸沖を間近に望む、遠洋・沖合漁業の重要な基地です。2階のデッキからは、多様な魚介類の水揚げや次々進む電子入札をライブ感覚で見学できます。なかでも目を奪われたのは大量のサメ。近海マグロの延縄漁業が盛んなことからサメが漁獲され、国内の水揚げの7割を超えるそうです。
 港ではテープや大漁旗を振って見送る盛大な「出船おくり」を楽しみ、屋上の展望デッキからは漁船がずらりと並ぶ壮観な風景を満喫しました。冬の早朝に海面から霧が立ち上る「気嵐(けあらし)」などの風物詩にも心ひかれます。
 見学は予約不要で無料。出船おくりの日程や水揚げ状況はサイト情報を確認するか、問い合わせを。魚市場ガイドによる案内もあります(要事前申込)。

〈上〉気仙沼市魚市場の屋上展望デッキから望む気仙沼湾 〈左下〉2階中央の標識が東日本大震災の津波到達点。魚市場を体感できるシアターなどを備えた別棟の新施設もある 〈右下〉フカヒレの原料になるサメ。水揚げのうち約8割はヨシキリザメ


本場ならではのサメ博物館やサメグルメ

本場ならではのサメ博物館やサメグルメ

 続いては、気仙沼市魚市場に隣接する観光物産施設「気仙沼 海の市」へ。2階に日本で唯一のサメ博物館「シャークミュージアム」があります。
 施設は東日本大震災で被災しましたが、平成26年(2014)に再開。震災関連の展示を新設し、サメとともに、気仙沼の海と人の絆を学ぶ体感型博物館となりました。映像で当時や復興の様子を見ると、人々の力強さや熱い思いが胸に迫ります。
 サメを学ぶ「シャークゾーン」ではリアルなサメ模型が出迎え。サメの種類や生態などが紹介され、人間を攻撃するのは少数、交尾を行う珍しい魚、卵生と胎生の両方いる…など、へえ~の連続でした。サメの権威、E.クラーク博士が海中の映像とともにサメの不思議を紹介するシアターも人気。最後のパネルは「サメは危険な生物ではなく、大切な資源」という内容で、大いに納得しました。

〈上〉映画「ジョーズ」で知られるホホジロザメの実物大模型。歯は本物 〈左下〉歯や食べ方、生殖などをパネル展示で紹介 〈右下〉世界最大級のジンベエザメを約3分の1サイズで再現。巨大模型に、プロジェクションマッピングでサメの姿などが映し出される

 サメの世界を後にし、1階に下りると、そこはショッピングやグルメを楽しむ人間の世界。魚市場直結で仕入れた鮮度抜群の海の幸をはじめ、水産加工品やお土産の店、魚介類を味わえる飲食店などが並びます。
 フカヒレ関連のおみやげは定番のスープのほか、せんべいやまんじゅう、パイなど、種類豊富。人気のソフトクリームは蜂蜜味のフカヒレと甘酸っぱいベリー、バニラが絶妙に合い、一気に平らげてしまいました。フカヒレ入りの中華まんやラーメンも味わえます。さらに軟骨や内臓を使った健康食品、すり身を使った練り製品など、気仙沼ではサメを余すところなく活用。市内にはサメ革製品の店もあります。サメは大切な資源なのです。
 1階では、港町の製氷技術を駆使して魚やアートを展示した「氷の水族館」も体験。−20℃の海の中にいるようでした。

〈上〉夜は電飾でハッキリとサメの顔が現れる 〈左下〉フカヒレ金糸の蜜漬けをトッピングした人気のソフトクリーム500円。フカヒレを使った中華まんやサメ肉を使ったナゲットも好評 〈右下〉サメの本場ならではの高級珍味、モウカザメの心臓「モーカの星」


特大サイズがドーンとのった和風フカヒレ丼

特大サイズがドーンとのった和風フカヒレ丼

 気仙沼はフカヒレの生産量も日本一。冬の乾燥した西風がフカヒレの生産に適しており、伝統的な天日干しは冬の風物詩として有名です。
 フカヒレ丼は「観光客の期待を超える大きさを」と、気仙沼寿司組合が開発しました。平成22年(2010)に商品化し、評判を呼んだものの、翌年の東日本大震災で全加盟店が被災。全店が営業を再開した平成26年(2014)に復活し、ご当地丼として広まりました。
 今回訪れたのは昭和51年(1976)創業の「新富寿し」。現在は2代目の鈴木真和(まさかず)さんと弟の和洋(かずひろ)さんが切り盛りしています。先代である父を15歳で亡くした真和さんは高校卒業後、東京・築地で約7年修業し、暖簾を継ぎました。震災後は「腕は流されない」との心意気で全国各地で寿司を握り、店の復活に奔走。再開後は海外からの注目度も高まっています。

〈左〉店内は天井が高く、広々。個室も3つあり、ゆっくりできる。カウンターは5席で、きめ細かな接客が好評 〈右上〉海の近くの店舗が被災し、静かな住宅地に移転オープン。看板を出さずに客が集まる人気店 〈右下〉左が真和さん、右が和洋さん

 特大フカヒレの姿に心が躍る、同店独自の「鱶鰭(ふかひれ)丼」。肉厚の歯応えや独特の柔らかさがあり、風味豊かな和風の味付けで、酢飯や本ワサビと相性抜群です。途中で海鮮餡(あん)をかけると、味や食感の変化が楽しく、一体感が増した丼を難なく完食。「最後の一口まで楽しめるように」という鈴木さん兄弟の思いが伝わります。
 上品な薄味のフカヒレがシャリを覆う握り寿司も魅力的。小気味よい歯触りととろけるような食感を満喫しました。サメ皮でおろした本ワサビがよく合います。

 「フカヒレは国により流通規制があるため、SNSで検索して海外から訪れる方が増えています。気仙沼のフカヒレは世界に唯一無二の絶品ですから」と真和さん。世界が注目するフカヒレを味わい、地元のサメ文化に触れる、サメ巡りの旅を楽しみませんか。気仙沼のフカヒレが日本観光の目玉になる日は遠くないと、きっと感じるはずです。
(2019年12月)

〈上〉約130gのフカヒレにウニやイクラなどを添えた「鱶鰭丼(海鮮餡かけ)」7850円。「かに餡かけ」6480円もある 〈左下〉気仙沼名物「ふかひれ姿握り」770円も人気 〈右下〉鱶鰭丼はホタテやアワビなどの海鮮餡で“味変”も楽しめる

るるぶ特派員が選んだ注目のお礼の品 ふかひれの中でも肉厚な吉切鮫の尾びれを厳選して使用した贅沢なステーキ

るるぶ特派員が選んだ注目のお礼の品 ふかひれの中でも肉厚な吉切鮫の尾びれを厳選して使用した贅沢なステーキ

フカヒレの本場・気仙沼でフカヒレ一筋62年の老舗「石渡商店」が1年半かけて開発した最新の商品。選りすぐりの吉切鮫(ヨシキリザメ)の尾びれを、卓越した職人技で加工したステーキ専用のフカヒレです。フライパンで焼くことで、表面はパリッと香ばしく、中は独自のモチモチした食感に。チキンブイヨンのコンソメに、フカヒレのコラーゲン成分が溶け込んだ特製たれを煮詰めて完成させるソースも絶品です。お好みで岩塩や黒コショウをかけても◎。食べ応えあるサイズで、家庭で簡単に調理でき、口中に広がる豊潤な風味を堪能できます。
※掲載の「お礼の品」は品切れや季節の都合で受付を終了・中止していることがあります。

〈左〉たれ込み2枚セットで化粧箱入り。作り方のパンフレット付き。ネットで動画も公開 〈右〉肉厚で繊維がしっかりした尾びれを使用。たれを煮詰めて作るソースはコク深くまろやかで、高級店のような味わいが楽しめる

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SPOT LIST

気仙沼市魚市場(けせんぬましうおいちば)

【電】0226-22-4560(気仙沼観光コンベンション協会) 【住】宮城県気仙沼市魚市場前8-25 【交】三陸自動車道 気仙沼中央ICから車で10分 【料】入場無料 【時】5~12時(公開時間) 【休】不定休(要問い合わせ) 【P】280台

気仙沼 海の市/シャークミュージアム(けせんぬま うみのいち/しゃーくみゅーじあむ)

【電】0226-24-5755 【住】宮城県気仙沼市魚市場前7-13 【交】三陸自動車道 気仙沼中央ICから車で15分 【料】シャークミュージアム入館500円 【時】8~17時(5~9月は~18時)、シャークミュージアム9時~16時30分最終受付(5~9月は~17時最終受付)、飲食店は店舗ごとに異なる 【休】不定休 【P】100台

気仙沼 新富寿し(けせんぬま しんとみずし)

【電】0226-23-7475 【住】宮城県気仙沼市東新城1-13-3 【交】三陸自動車道 気仙沼中央ICから車で11分 【時】11時30分~14時LO、17~21時LO(日曜は~20時30分LO) 【休】月曜(祝日の場合は営業、不定休あり) 【P】10台

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