道後温泉の新名所へ | 愛媛県松山市の旅行レポート

『日本書紀』や『万葉集』にも登場する日本最古といわれる道後温泉が有名な松山市。
道後温泉のシンボル「道後温泉本館」は、現在、営業しながらの保存修理工事中ですが、
2017年に誕生した道後の新名所「道後温泉別館 飛鳥乃湯泉」が今大きな注目を集めています。
湯上がりにぜひ立ち寄りたい、愛媛ならではの柑橘類を使ったショップとあわせてご紹介します。

道後温泉の新名所へ | 愛媛県松山市の旅行レポート|道後温泉の新名所へ | 愛媛県松山市の旅行レポート

『日本書紀』や『万葉集』にも登場する日本最古といわれる道後温泉が有名な松山市。道後温泉のシンボル「道後温泉本館」は、現在、営業しながらの保存修理工事中ですが、2017年に誕生した道後の新名所「道後温泉別館 飛鳥乃湯泉」が今大きな注目を集めています。湯上がりにぜひ立ち寄りたい、愛媛ならではの柑橘類を使ったショップとあわせてご紹介します。

松山城下町から路面電車で道後温泉へ

松山城下町から路面電車で道後温泉へ

 まず訪れたのは、松山市の中心部にある「松山城」。ロープウェイ街にある駅舎から出発するロープウェイを下車して10分も歩けば、国内現存十二天守の一つの松山城天守に到着です。当時、難攻不落の名城と謳われた松山城には天守を含めて21棟もの重要文化財の建築物があります。天守内部には甲冑など貴重な資料も展示されており、天守最上階からは松山市全域や遠く瀬戸内海までを見渡すことができました。
 松山城から道後温泉までは、路面電車を使って移動します。松山駅と道後温泉間を通常1日に4往復しているレトロな風情の坊っちゃん列車の発着のタイミングに合えば道中も充分楽しめます。温泉街のシンボル「道後温泉本館」は、国の重要文化財にして現役の公衆浴場。ただし現在は営業しながらの保存修理工事中ですが、入浴を楽しめます。また、手塚治虫氏の代表作『火の鳥』とコラボした「道後REBORN プロジェクト」が進行しています。建物の半分を覆うラッピングアートや、毎夜繰り広げられるプロジェクションマッピングは、この期間にしか見ることができないので必見です。

〈上〉現存十二天守の中でも、江戸時代最後の完全な城郭建築といわれている 〈左下〉道後REBORN プロジェクトのラッピングアートで建物が覆われた道後温泉本館 ©TEZUKA PRODAUCTIONS 〈右下〉保存修理工事前まで入口があった道後温泉本館の西面。現在の入口は北面 ※道後REBORNプロジェクトの開催期間はⅠ期工事期間中(2021年3月末まで予定)


道後のおもてなしの心を受け継ぐ新名所

道後のおもてなしの心を受け継ぐ新名所

 道後温泉本館から徒歩3 分ほどの場所に立つのが、2017 年にグランドオープンした「道後温泉別館 飛鳥乃湯泉」。本館とは異なる魅力を発信する道後の新名所は、遠方からこの施設を目指してわざわざ訪れる価値のある、みどころ豊富な日帰り温泉施設になっています。
 飛鳥時代の建築様式を取り入れた建物は、屋根の上に本館のシンボルでもある塔屋を配置。夜間にライトアップされた姿は美しくSNS 映えもばっちりです。館内は「太古の道後」をテーマに、「愛媛の伝統工芸」と「最先端のアート」をコラボレーションした作品で演出し、道後温泉にまつわる伝説や物語を表現しています。
 また、1階には大浴場のほかにも本館にはない露天風呂があり、2階には約60 畳の大広間や個室休憩室なども備わっています。使用できる浴場や休憩室は入館時に選ぶ4つのコースに分かれており、2階のコースでは工事前の本館のように、休憩時にお茶・お茶菓子と貸浴衣のサービスを受けることもできます。

〈上〉飛鳥乃湯泉の広場には道後オンセナート2018で制作された大型立体作品「つばき」が展示されている 〈左下〉2階大広間、2階個室、2階特別浴室のコースにはお茶とお茶菓子が付く 〈右下〉大浴場の浴槽には湯釡から絶え間なく道後の名湯が注がれている

 飛鳥乃湯泉には、ここでしか体験できないお楽しみがたくさんあります。その代表的なものが「2階特別浴室」コースです。本館にあって保存修理工事前には見学することができた皇室専用浴室・又新殿(ゆうしんでん)を忠実に再現した特別浴室に、湯帳(ゆちょう)とよばれる滑らかな素材の浴衣を着て入浴することができます。専用の休憩室でお茶・お茶菓子を味わえるサービスも付き、ちょっと高貴な人になったような気分で、贅沢な時間が過ごせること間違いなしです。
 また、1階の浴室と2階の個室を利用できる「2階個室」コースも人気です。「湯桁の間」には西条だんじり彫刻、「椿の間」には今治タオル、「行宮の間(かりみやのま)」には桜井漆器の蒔絵のように、5つある個室にはそれぞれ愛媛の伝統工芸品を使った作品が飾られており、すべて貸浴衣と給茶のサービス付き。愛媛の伝統工芸品は個室だけではなくロビーや階段など館内のいたるところに装飾品として展示されているので、これらをチェックして回るのもおすすめです。

〈上〉湯釜の形まで完全に又新殿のものを再現している特別浴室の浴槽 〈左下〉5つある個室の一つ湯桁の間 〈右下〉大広間の天井には、内子町の伝統工芸品の大洲和紙とギルディングを融合した「ギルディング和紙」を使ったシェードと照明器具が吊るされている


愛媛が誇る柑橘類の魅力を発信する人気ショップ

愛媛が誇る柑橘類の魅力を発信する人気ショップ

 湯上がりにぶらぶら散策するのに最適なのが、道後ハイカラ通り商店街。その道後温泉駅側の入口に近い場所に立つおしゃれなショップが「10FACTORY 道後店」です。蛇口をひねればポンジュースが出ると比喩されるほどのみかん王国愛媛にあって、温州みかんなど愛媛の柑橘類を使ったさまざまな商品を自社で開発、製造、販売する専門店です。
 10FACTORYで扱っている柑橘類は常時約10種程度で、すべて愛媛県産のものです。季節によってラインナップは変化しますが、温州(みかん)、伊予柑、きよみ、しらぬい、河内挽柑、せとかなどそれぞれに味わいや香りが違う柑橘類の個性を生かした加工商品を販売しています。
 「商品を作る上で一番気にしているのは、何といっても柑橘農家を営む作り手さんの想いですね」と話してくれたのは店長の西本さん。実際に農家を回って仕入れの相談などをする時に、心を込めて育てあげた果実への強い想いを実感することができ、それぞれの果実が本来持っている魅力を最大限引き出した商品にすることが使命だと感じるようになったのだそう。「できる限り余計な手を加えないで、それぞれの柑橘類が元々持っている良さを生かせているかが商品として成立するための条件です」と西本さん。

〈上〉生絞り用に仕入れた温州を手に取る店長の西本さん 〈左下〉店内には愛媛県産の柑橘類を使った商品がずらり 〈右下〉代表的な商品としては生絞りジュース、ゼリー、ドライフルーツ、ドレッシングなど

 10FACTORY 道後店では、おみやげ用の商品のほかに、その場で食べたり飲んだりできるイートインメニューも充実しています。人気はジェラートで、温泉入浴の後のほてった体をクールダウンするのに最適な爽やかな味わいの温州や伊予柑、きよみなどが揃っています。また、一番のおすすめメニューが柑橘ジュース3種飲み比べ。温州、伊予柑、きよみをそれぞれ生絞りした果汁を順番に味わうことで、それぞれに異なる甘みや酸味のバランス、コク、香りなどを実感でき、おいしいだけじゃなくて、飲み終わった時には柑橘類に対する認識が一段深まったという充実感も得られます。
 10FACTORYの商品は、ボトルなど、容器やパッケージの洗練されたデザインも人気のポイントです。「もちろんブランディングにも力を入れています。デザイン性の高い商品を作ることで、若い人も含めて多くの人の目にふれるようになり、最終的には、愛媛県産の柑橘類の良さを全国的に認知してもらうことが目標です」と西本さん。現在は南予中心になっている仕入れ先も、愛媛県全域に広げていく計画だそうです。さまざまな県産柑橘類との出会いが、商品のバリエーションを広げ、今後さらに、愛媛県の柑橘類の奥深い世界を見せてくれるようになる予感がしました。

 道後温泉の歴史を引き継ぐ新名所の湯に浸かって、湯上がりに愛媛が誇る柑橘類を味わう。松山市に訪れたらぜひ体験してほしいおすすめのコースです。
(2019年12月)

〈上〉温州ジェラート(シングル)280円 〈左下〉3種飲み比べ500円。それぞれの生産地も明記されている 〈右下〉道後ハイカラ通りにある店舗。店内にイートインスペース、店頭にはベンチもある

道後温泉 大和屋本店 特別室に泊まるペア宿泊プラン

道後温泉 大和屋本店 特別室に泊まるペア宿泊プラン

創業慶応4年(1868)の老舗旅館で、道後温泉本館まで徒歩1分のアクセスの良さも魅力の宿です。今回の宿泊プランでは、一般の人は泊まることができない特別室の1001号室を用意。最上階角部屋で11畳のゆったりとした和室でのんびりと過ごせます。客室には眼下に道後温泉本館が見下ろせる檜風呂も設置されており、夕食には地元の幸を取り入れた最上質会席料理の「胡蝶」をいただくことができる至れり尽くせりのプランです。
※掲載の「お礼の品」は品切れや季節の都合で受付を終了・中止していることがあります。

しっとりと落ち着いた雰囲気の和室でゆったりと過ごせる


道後温泉 ふなや 和室又は和洋室ペア宿泊券

道後温泉 ふなや 和室又は和洋室ペア宿泊券

江戸時代創業の道後温泉きっての名旅館。昭和天皇などの皇族や、夏目漱石、正岡子規などの文人墨客も滞在したことがある由緒ある宿の和室か和洋室に宿泊できます。自然の川が流れる風雅な庭園の詠風庭を散策したり、古代檜を使った大浴場の湯船でゆったり疲れを癒したりしながら至福の時間が過ごせます。夕食には愛媛・松山の旬の食材を生かした彩りも鮮やかな会席料理がいただけます。
※掲載の「お礼の品」は品切れや季節の都合で受付を終了・中止していることがあります。

道後温泉の湯を引いた風呂が設置されている客室もある

SPOT LIST

松山城(まつやまじょう)

【電】089-921-4873(松山城総合事務所)【住】愛媛県松山市丸之内1【交】電停大街道から松山城ロープウェイ東雲口駅舎まで徒歩5分【料】天守観覧520円【時】天守は9時~16時30分(入場は〜16時)※季節により変動あり【休】天守のみ12月の第3水曜【P】20台(2時間420円)

道後温泉本館(どうごおんせんほんかん)

【電】089-921-5141【住】愛媛県松山市道後湯之町5-6【交】伊予鉄道道後温泉駅から徒歩5分【料】入浴420円【時】6~23時(最終入館は~22時30分)【休】無休(12月に1回臨時休館あり)【P】道後温泉駐車場100台利用(30分100円、道後温泉本館利用者は1時間無料)

道後温泉別館 飛鳥乃湯泉(どうごおんせんべっかん あすかのゆ)

【電】089-932-1126【住】愛媛県松山市道後湯之町19-22【交】伊予鉄道道後温泉駅から徒歩5分【料】1階浴室コース610円(コースにより異なる)【時】6~23時(コースにより異なる)【休】無休(12月に1回臨時休館あり)【P】道後温泉駐車場100台利用(30分100円、飛鳥乃湯泉利用者は1時間無料)

10FACTORY 道後店(てんふぁくとりー どうごてん)

【電】089-997-7810【住】愛媛県松山市道後湯之町12-34 エイトワン道後ビル1階【交】伊予鉄道道後温泉駅からすぐ【時】9~21時(20時45分LO)【休】水曜【P】なし

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