好きな具を自由に組み合わせ 70年愛される コッペパン 岩手県盛岡市

クラシカルな洋館が点在し、多くの文化人が愛した、レトロな魅力あふれる盛岡市。
市内巡りに欠かせない地元グルメの一つが、老舗「福田パン」のコッペパンです。
約50種類の具材の中から好きなものを選び、
その場ではさんでもらうスタイルで、組み合わせは無限大。
盛岡でしか味わえない「ふるさとの味」として、約70年間愛され続けています。

好きな具を自由に組み合わせ 70年愛される コッペパン 岩手県盛岡市

クラシカルな洋館が点在し、多くの文化人が愛した、レトロな魅力あふれる盛岡市。市内巡りに欠かせない地元グルメの一つが、老舗「福田パン」のコッペパンです。約50種類の具材の中から好きなものを選び、その場ではさんでもらうスタイルで、組み合わせは無限大。盛岡でしか味わえない「ふるさとの味」として、約70年間愛され続けています。

歴史と文化が薫るノスタルジックな街巡り

歴史と文化が薫るノスタルジックな街巡り

 まず訪れたのは、風情漂う古都・盛岡のシンボルとして親しまれている「岩手銀行赤レンガ館」。東京駅丸の内駅舎と同じ建築家・辰野金吾と葛西万司による設計で、明治44年(1911)に開業。今から7年前に銀行としての役目を終え、約3年半に及ぶ保存修理工事を行い、平成28年(2016)から創建当時の姿を伝える施設として一般公開されています。欄間や天井などの華やかな彫刻は、まるで美術品のよう。昔の通帳や建築図などの貴重な資料も必見です。
 また、岩手県日戸村(現・盛岡市)出身の歌人・石川啄木ゆかりの場所も見逃せません。明治38年(1905)、新婚当初3週間暮らした「啄木新婚の家」もその一つ。人生で「最大の安慰(ゐせき)と幸福」を与えてくれたと、随筆「我が四畳半」に描かれた家がこちらです。自筆の書や写真などを見ながら、当時の暮らしぶりに思いを巡らせました。

〈上〉国指定重要文化財の「岩手銀行赤レンガ館」は赤れんがに白花崗岩の帯、緑のドームの「辰野式ルネッサンス」様式 〈左下〉吹き抜けの多目的ホールは無料で見学できる 〈右下〉啄木不在の結婚式を行った部屋もある「啄木新婚の家」。現存する武家屋敷としても貴重


愛されて70年 行列のできる盛岡名物・コッペパン

愛されて70年 行列のできる盛岡名物・コッペパン

 「啄木新婚の家」のほど近くに、コッペパン専門店「福田パン 長田町本店」があります。花巻農学校で宮沢賢治の教え子だった福田留吉さん(現社長・潔さんの祖父)が昭和23年(1948)に創業。学生向けに「安くて、おなかいっぱいになるように」と作った大きなコッペパンが、学校の購買部などを通して広まり、多くの人々に親しまれてきました。
 イベントなどでの実演販売を除き、好きな具をその場ではさんでくれるのは、長田町本店のほか矢巾店、みたけ店の直営3店舗のみ。ここでしか味わえないおいしさを求めて、全国から多くの観光客が訪れます。特に土・日曜は開店前から行列が続くほど。訪れたのは平日でしたが、15時半で1100個完売でした。

〈上〉建物は岩手県出身の童話作家・宮沢賢治の理想郷「イーハトーブ」の木造校舎をイメージ 〈左下〉黒板風の掲示板にメニューが並び、店内は学校給食の雰囲気。8席のイートインスペースあり 〈右下〉「笑顔になれるパンがここにはあります」と、笑顔を絶やさないスタッフの遠山綾佳さん

 学校給食の雰囲気漂う店内で目を引くのは約50種の「おしながき」。あんやピーナツなど30種類を超える「甘い系」は2種類まで組み合わせ可能で、高い方の価格だけで購入できます(追加料金なし)。「調理系」は約20種類のベースの具に、組み合わせる具をプラスする仕組みです。なお、価格設定の方法が違うため、甘い系と調理系の組み合わせはできません。
 自分流にカスタマイズできるのは楽しいけれど、種類の多さに迷ってしまう…。そんな時は、スタッフに尋ねるとオススメの組み合わせを教えてくれます。「どんな組み合わせも結構合います。好みの味を見つけてくださいね」とスタッフの遠山さん。一見「?」と思う組み合わせでも、食べると意外なおいしさに気づけるといいます。でも王道は外せないと、今回は「あん+バター」や「オリジナル野菜サンド」を注文。目の前でたっぷりと具材を塗ったり、はさんだり。スピーディーな調理のライブ感にワクワクしながら、出来上がりを待つのも、楽しいひと時です。

〈上〉多彩なフィリングが並ぶ様は圧巻。甘い系は2種類まで。調理系は具材をプラスできる 〈左下〉塗り方は2種類。右は片面ずつ別のものを塗る「ミックス」、左は2つの味が混ざらない「半々」 〈右下〉目の前で手早くフィリングが塗られ、あっという間に完成

 これだけ多彩な具材が合うのは、土台となるパンのおいしさがあってこそ。自社工場で毎日1万個製造するパンは昔ながらの材料や製法を守りつつ、よりふんわりと、やわらかさが長持ちするよう、味や食感に年々改良を加えているとのこと。マーガリンが香り、フカフカの食感ともっちりした弾力をもつパンは、飽きのこない味わいでペロリと食べられます。

 出来たてのパンを頬張る幸福感の中、ふと啄木の「或る時のわれのこころを/焼きたての/麵麭(パン)に似たりと思ひけるかな」という歌が頭をよぎりました。福田パン創業の約40年前に詠まれた歌ですが、盛岡の地で生まれ育った啄木がパンを題材にしていたことに不思議な縁を感じます。
 お客さまに「福田パン毎日食べて福を呼ぶ」と詠われるほど、地元の日常食として愛されている福田パン。旅のお供に、いや、むしろこのパンを旅の目的に、盛岡巡りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
(2019年7月)

〈上〉オリジナル野菜サンド+コンビーフ448円など、調理系は新鮮なうちに食べよう。一番人気のあん+バター159円は鉄板 〈左下〉コッペパン単体は1個100円。長さ約20cm、幅約9cm、高さ約6cm、重さ約120gとボリューム満点 〈右下〉断面を見てわかるほどのふんわり&もっちり感

ホームスパン ネックウェア

ホームスパン ネックウェア

「家で紡いだ」という意味の「ホームスパン」は、手染め・手紡ぎ・手織りのウールの織物。英国の伝統工芸の一つで、岩手県では明治時代、英国人宣教師によって伝えられました。その技法を受け継ぐ「みちのくあかね会」は創立以来約60年、昔のままの機具を使い、全て手作業で仕上げています。ロングセラーのネックウェアはふんわり軽く柔らかで、身に付けると温もりに包まれ、使うほどに風合いが出るのが魅力。大まかな色指定のみで、柄はお届け後のお楽しみ。販売場所が限られるので、入手できる貴重な機会をお見逃しなく!
※掲載の「お礼の品」は品切れや季節の都合で受付を終了・中止していることがあります。

〈左〉設立当初の昭和30年代の雰囲気がそのまま残る古い木造の作業所で、機具も製法も昔ながらの手仕事で作り上げる 〈右〉一つひとつ表情が異なる、房まで手よりのオールハンドメイド。小さめで使い勝手がよいと好評

SPOT LIST

岩手銀行赤レンガ館(いわてぎんこうあかれんがかん)

【電】019-622-1236【住】岩手県盛岡市中ノ橋通1-2-20【交】JR盛岡駅から循環バスでんでんむしで10分、盛岡バスセンターななっく前下車、徒歩1分【料】入館300円※岩手銀行ゾーンは無料【時】10〜17時(最終入館16時30分)【休】火曜【P】なし

啄木新婚の家(たくぼくしんこんのいえ)

【電】019-624-2193【住】岩手県盛岡市中央通3-17-18【交】JR盛岡駅から循環バスでんでんむしで5分、啄木新婚の家口下車、徒歩1分【料】入場無料【時】8時30分~17時(12~3月は9~16時)【休】11月最終週~3月の火・水曜【P】なし

福田パン 長田町本店(ふくだぱん ながたちょうほんてん)

【電】019-622-5896【住】岩手県盛岡市長田町12-11【交】JR盛岡駅から循環バスでんでんむしで5分、啄木新婚の家口下車、徒歩4分【時】7~17時(パンがなくなり次第終了)【休】無休【P】11台

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