レモンの島をめぐる | 広島県尾道市 の旅行レポート

広島県東部に位置する尾道市は、情緒あふれる坂の町として有名な人気観光地です。
瀬戸内海へと続く海の道「しまなみ海道」の基点でもあり、広島県側の3つの島は尾道市に属します。
今回は、3つの島のなかでも広島県最南端に位置する生口島(いくちじま)に注目。
レモン生産量日本一を誇るこの島を訪ね、島のブランド「瀬戸田レモン」の魅力を探ってみました。

レモンの島をめぐる | 広島県尾道市 の旅行レポート

広島県東部に位置する尾道市は、情緒あふれる坂の町として有名な人気観光地です。瀬戸内海へと続く海の道「しまなみ海道」の基点でもあり、広島県側の3つの島は尾道市に属します。今回は、3つの島のなかでも広島県最南端に位置する生口島(いくちじま)に注目。レモン生産量日本一を誇るこの島を訪ね、島のブランド「瀬戸田レモン」の魅力を探ってみました。

青い海と青い空に映える真っ白な大理石の丘

青い海と青い空に映える真っ白な大理石の丘

 生口島の中心部、瀬戸田地区には多くの観光スポットが集中しています。その一つが「耕三寺博物館(耕三寺)」で、極彩色の社殿のエキゾチックなたたずまいと、真っ白な大理石でできた「未来心の丘」がインパクト充分な人気スポットです。
 耕三寺や美術館、食事処などが集まる瀬戸田の中心部から車で10分ほど南下すると、右手に、愛媛県の大三島へと渡る多々羅大橋が見えてきます。そして、そのたもとに広がる丘陵が「レモン谷」。多くのレモン農家が集まりレモンを中心とした柑橘類を栽培しています。国産レモン発祥の地にして、日本一の生産量を誇るレモンの島を支える原動力ともいえるエリアです。

〈上〉耕三寺博物館の未来心の丘。青い空とのコントラストが美しい 〈左下〉耕三寺の仏教建築は15棟が国の登録有形文化財になっている 〈右下〉レモン谷から多々羅大橋を望む。橋を渡れば愛媛県の大三島


瀬戸田レモンのジェラートをいただく

瀬戸田レモンのジェラートをいただく

 島の名所を巡ったあとは、瀬戸田の柑橘類を使ったジェラートを製造・販売する「しまなみドルチェ 瀬戸田本店」を訪ねてみました。海沿いのロケーションが素敵なジェラートショップにはテイクアウト用のカウンターに加えてイートインスペースもあります。この日も、地元の人たちはもちろん、サイクリストなど多くの観光客が店に立ち寄って、瀬戸田レモンのジェラートを買い求めていました。社長の岡さんに店舗奥のジェラート製造工場を案内していただきました。
 しまなみドルチェで使う瀬戸田レモンは、ジェラートにした際に一番美味しく仕上がる時期にまとめて収穫します。収穫した大量のレモンはアメリカ製のジューサーで搾り、果汁を瞬間冷凍して保存。それらを都度解凍して、本場イタリア製のマシンに投入し、ジェラートを作りあげています。こうしたこだわりによって、どの時期に訪れても、高品質で安定した味を味わうことができるのです。

〈上〉瀬戸田レモンは、カリフォルニア産レモンのようなツルツルピカピカな感じではなく、少しずんぐりしていて無骨な印象ながら味、香りとも最高品質 〈左下〉化学的な薬品は一切使用せずに作られる 〈右下〉本日分の瀬戸田レモンジェラートがマシンから溢れ出る

 「島の自然と都会の人々を結ぶ架け橋になりたいという思いでこの店を始めました」という岡さん。店舗での販売だけでなく、ネット販売なども行い、全国の人々に瀬戸田レモンのジェラートを販売しています。「温暖な瀬戸内の気候に育まれた瀬戸田の柑橘類の味は、島の豊かさの象徴です。このおいしさを広く知ってもらうことで、瀬戸田や生口島に興味を持ってもらいたいと思っています」と岡さんは話してくれました。
 しまなみドルチェでは、瀬戸田レモン以外にも瀬戸田のデコみかんや、伯方の塩などしまなみ海道の食材を使ったジェラートも販売しています。いずれも岡さんが試行錯誤を繰り返しながら作り上げた自信作です。目の前の波静かな瀬戸内海を眺めながら、瀬戸田の味が凝縮されたジェラートをじっくりと味わいました。

〈上〉瀬戸田レモンと瀬戸田のデコみかんのダブル440円 〈左下〉常時約30種類のジェラートがスタンバイ 〈右下〉海岸沿いの建物には店内席やテラス席がある


瀬戸田レモンと魚介類の見事なハーモニー

瀬戸田レモンと魚介類の見事なハーモニー

 次に向かったのが、瀬戸田の中心部にある「お食事処 ちどり」。瀬戸田レモンを使った名物料理を目当てにのれんをくぐりました。
 生口島は瀬戸内海に浮かぶ周囲33㎞の島で、豊富な海の幸に恵まれた場所です。こちらの店では、そんな瀬戸内の新鮮な魚介類をメインにした料理を提供しています。そして、この店で今うわさの名物料理が、瀬戸田レモンを使ったレモン鍋です。輪切りにしたレモンを鍋一杯に敷き詰めた見た目のインパクトもさることながら、その味が評判を呼んでいます。店主の橋本さんにレモン鍋の誕生秘話をうかがってみました。
 「瀬戸田レモンならではの味や香りは、魚介類との相性が良いのではないかと思ったのがきっかけです。瀬戸田レモンでなければ思いつかなかったメニューかもしれませんね」。鍋の中には名物のタコや地元の白身魚、野菜などがたっぷり入って醤油ベースのだしとの相性も抜群。不思議なのは、すべての食材やだしがレモンの爽やかな香りと見事にマッチしていること。後味さっぱりの鍋をペロリとたいらげてしまいました。

〈上〉レモン鍋1人前2160円は2日以上前に要予約(写真は2人前) 〈左下〉お食事処 ちどりでは他にも瀬戸田レモンを使ったメニューがある。写真は衣に刻んだレモンを練りこんで揚げた「たこ天レモン」1150円 〈右下〉アットホームな空気が漂う店内

 瀬戸田に生まれ育った橋本さんに、地元のレモン農家の一つ「れもんだに のうえん」へ案内していただきました。こちらの農園はその名の通りレモン谷の一角にあり、農薬・肥料不使用で、皮まで食べられるレモンを栽培しています。瀬戸内ならではの温暖な気候でレモン栽培に適しているこの地域でも、完全無農薬で栽培するのは大変だったそうで、出荷ができるようになるまで父親の代から40年の歳月がかかったとのことです。
 「瀬戸田レモンは、一般のレモンに比べて香りが芳醇で、酸味がきつ過ぎず、ほのかな苦味と旨味のバランスがいいのが特徴です。この美味しいレモンを少しでも多くの人に味わってもらいたいと思っています」と農園を管理する永井さん。永井さんはその思いを実現するために瀬戸田レモンを持って全国のレストランや商業施設に売り込みに回っています。「瀬戸田レモンはどこへ持って行っても評判がいいです。一度味わってもらえれば、その良さを必ずわかってもらえると自信を持っています」と笑いながら話してくれました。

 今回の旅で出会った3人のお話を通じて、島を愛し、島を誇りに思う人たちが支える瀬戸田レモンは今後もさらに進化していくんだろうと確信しました。みなさんもぜひ、生口島を訪れて瀬戸田レモンを味わってみてください。 (2019年9月)

〈上〉レモン畑に立って談笑する橋本さん(左)と永井さん 〈左下〉自ら栽培したレモンを持って笑顔を見せる永井さん 〈右下〉夏場から秋口にかけてはグリーンレモンが実るレモン谷。黄色のレモンは秋から冬に収穫される

瀬戸田レモン 蜂蜜シロップ漬セット

瀬戸田レモン 蜂蜜シロップ漬セット

瀬戸内の生口島で作られる瀬戸田レモンのなかでも、皮まで食べられる瀬戸田エコレモンの輪切りをはちみつに漬け込んだ商品。1本にレモン約2個分の輪切りとレモン果汁1個分が入ってとってもお得です。用途も豊富で、シロップを水や炭酸で割っても、紅茶などのドリンクにいれても、その芳醇な香りと爽やかな酸味が楽しめます。もちろん、レモンの輪切りをそのまま食べてもOK、自分流で瀬戸田レモンを味わえるユーティリティーな一品です。
※掲載の「お礼の品」は品切れや季節の都合で受付を終了・中止していることがあります。

瀬戸田レモンの魅力を丸ごと瓶詰めにした一品

SPOT LIST

耕三寺博物館(耕三寺)(こうさんじはくぶつかん(こうさんじ))

【電】0845-27-0800【住】広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田553-2【交】しまなみ海道生口島北ICから車で10分【料】入館1400円【時】9~17時【休】無休【P】40台

レモン谷(れもんだに)

【電】0845-27-0051(瀬戸田町観光案内所)【住】広島県尾道市瀬戸田垂水【交】しまなみ海道生口島北ICから車で15分【料】【時】【休】周辺自由【P】なし

しまなみドルチェ 瀬戸田本店(しまなみどるちぇ せとだほんてん)

【電】0845-26-4046【住】広島県尾道市瀬戸田町林20-8【交】しまなみ海道生口島北ICから車で10分【時】10~17時【休】無休【P】80台

お食事処 ちどり(おしょくじどころ ちどり)

【電】0845-27-0231【住】広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田530-2【交】しまなみ海道生口島北ICから車で10分【時】11~16時、18~22時【休】火曜【P】なし

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