幻想的な地下空間へ | 栃木県宇都宮市 の旅行レポート

栃木県の中部に位置する県庁所在地で、餃子の町としても有名な宇都宮市。
市の中心部から離れた大谷(おおや)地区にある「大谷資料館」が、
絶景を求める観光客で賑わっていると聞きました。
資料館で見られる絶景とは何か。宇都宮を訪れてその真相を探りました。

幻想的な地下空間へ | 栃木県宇都宮市 の旅行レポート

栃木県の中部に位置する県庁所在地で、餃子の町としても有名な宇都宮市。市の中心部から離れた大谷(おおや)地区にある「大谷資料館」が、絶景を求める観光客で賑わっていると聞きました。資料館で見られる絶景とは何か。宇都宮を訪れてその真相を探りました。

まずは「餃子の町」を代表する行列店へ

まずは「餃子の町」を代表する行列店へ

 宇都宮市といえば、餃子の年間支出額で浜松市と日本一をかけて争っていることがニュースになるなど、餃子の町としての印象が強い市です。聞くところによると、市内には餃子を提供する店が300以上、そのうちの約80店舗が宇都宮餃子会という組織に加盟しているそう。
 そんな数ある餃子店のなかでも、人気、知名度ともにトップクラスの「宇都宮みんみん 本店」を訪れました。昭和33年(1958)創業の老舗で、平日でも開店前から行列ができる人気ぶりです。この店の餃子は、白菜などの野菜中心であっさりした味わい。箸が止まらなくなるおいしさで、焼餃子2人前+水餃子1人前+ライスという、お店おすすめの組み合わせをペロリと完食。期待以上のおいしさにビックリ! 宇都宮餃子のレベルの高さを実感しました。

〈上〉定番の焼餃子は一人前6個248円。まずはそのまま食べて、ジューシーな肉汁を堪能して 〈左下〉水餃子も一人前は6個248円。醤油、酢、ラー油を混ぜたタレを直接かけて食べてもおいしい 〈右下〉行列はするものの比較的回転は早い


絶景が広がる「石の里」の地下採掘場跡

絶景が広がる「石の里」の地下採掘場跡

 市内中心部にある「宇都宮みんみん 本店」から、目的地である大谷地区までは車で20分ほど。大谷は、付近一帯で産出される大谷石でその名が知られています。江戸時代中期頃から本格的に採掘が始まり、加工のしやすさから石塀や石蔵などに使われてきました。アメリカの建築家フランク・ロイド・ライトが帝国ホテル旧本館に用いたことが特に有名です。宇都宮市内にも、松が峰教会という現存する大谷石建築物としては日本最大級の建物が残っています。
 そんな大谷石の採掘場の跡を見学できるのが、「大谷資料館」です。受付のある建物のなかから、地下採掘場跡へと下りることができ、そこでは、ほかでは目にすることができない光景が広がっているのです。

〈上〉大谷石を切り出すことで地下に造られた巨大な空間は、まるでRPGのダンジョンのよう 〈左下〉各所に設置されたライトが幻想的な空間を演出 〈右下〉かつて行われた展覧会の作品などがそのまま残されている場所もある

 大谷資料館の地下採掘場跡の広さは、約2万㎡。天井までの高さは平均10mあり、野球場がすっぽりと入るほどの大きさです。資料館を案内してくれた館長の鈴木洋夫さんによると、採掘が始まったのは、地下堀の技術が確立した大正8年(1919)からとのこと。昭和34年(1959)に機械化されるまで、ツルハシを使って石材を掘り出しては、背負子を使って1本1本運び出していたそう。
 「石材を1本掘り出すまで、ツルハシで4000回、刻みを入れるんです」と、鈴木さんは壁を指さして教えてくれました。目をこらしてみると、壁にはツルハシの跡が残っています。そこは地下30m。どれだけ多くの人が、何回ツルハシをふるえば、ここまでたどり着くのか。想像するだけで気が遠くなってしまいそうでした。
 「これだけ大きな地下空間ですからね、第2次世界大戦中は軍事工場や倉庫などに利用されたこともあるんですよ。この地下採掘場は戦闘機『疾風』の工場でした」と、鈴木さん。そうした歴史も刻まれている場所ですが、今では、ドラマや映画、ミュージックビデオなどの撮影場所としても人気なのだとか。絶景を見に来るお客さんだけでなく、ロケ地めぐりで訪れるファンも増えているそうです。

〈上〉ライトアップなども自ら手がける館長の鈴木さん 〈左下〉斜めに走る跡はすべてツルハシによってつけられたもの 〈右下〉一角にはステージが設けられ、コンサートなどが行われることも

 大谷資料館を出たら、隣接するカフェ&セレクトショップ「OYA MUSEUM ROCKSIDE MARKET」へ。栃木県産のそば粉を使ったガレットや、ジェラートを味わえるほか、大谷石を使った商品、益子焼などの伝統工芸品、インテリア雑貨などを販売しています。地下採掘場跡は年間平均気温8℃なので、地上に戻ってきたら、ここでコーヒーとスイーツをいただき、体を温めるのがおすすめです。

 かつて大谷石の採掘場だった場所が時代とともに役割を変え、今では多くの人を楽しませる場所として公開されています。石の里の地下に広がる、類を見ない巨大な地下空間。その広さや、地下の寒さ、音の響き方などは、ぜひ身をもって感じてほしいです。餃子以外の宇都宮の魅力を知りたいという方にも、おすすめのスポットです。 (2019年3月)

〈上〉大谷夏いちごとマスカルポーネクリームのガレット700円 〈左下〉大谷石を使ったコースターは全5色で1個700円 〈右下〉店内各所にも大谷石が使用されている

一流バーテンダーが多数 夜の宇都宮は「カクテルの町」

一流バーテンダーが多数 夜の宇都宮は「カクテルの町」

宇都宮の昼の主役が餃子なら、夜の主役はバーとカクテルです。1987~90年にかけて「全国バーテンダー技能競技大会」で宇都宮のバーテンダーが連続優勝して以降、国内トップクラスのバーテンダーが集まる町として注目を浴びるようになりました。なかでも「パイプのけむり 池上町本店」は宇都宮のバーのシンボル的存在。古い良き時代の雰囲気を感じさせる老舗で、一流のバーテンダーがつくり出すカクテル900円〜に酔いしれてみてはいかがでしょう。

広い店内にオーセンティックなカウンター席が設けられている

SPOT LIST

宇都宮みんみん 本店(うつのみやみんみん ほんてん)

【電】028-622-5789【住】栃木県宇都宮市馬場通り4-2-3 【交】JR宇都宮駅から徒歩15分【時】11時30分~20時【休】火曜、月2回水曜(HPを要確認)【P】契約駐車場利用(1時間無料)

大谷資料館(おおやしりょうかん)

【電】028-652-1232【住】栃木県宇都宮市大谷町909【交】JR宇都宮駅から関東バス立岩行きで30分、資料館入り口下車、徒歩5分【料】入館800円【時】9~17時(12~3月は9時30分~16時30分)※入館は閉館30分前まで【休】12~3月の火曜【P】350台

OYA MUSEUM ROCKSIDE MARKET(おおや みゅーじあむ ろっくさいど まーけっと)

【電】028-688-8604【住】栃木県宇都宮市大谷町909【交】JR宇都宮駅から関東バス立岩行きで30分、資料館入り口下車、徒歩5分【時】9時30分~17時【休】無休【P】大谷資料館駐車場利用

パイプのけむり 池上町本店(ぱいぷのけむり いけがみちょうほんてん)

【電】028-635-9281【住】栃木県宇都宮市池上町2-1 5階【交】東武宇都宮駅から徒歩5分【時】18時~翌2時【休】無休【P】なし

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