まずは地元・千歳市の特産品はもちろん、道内のみやげやグルメが集結する「新千歳空港ターミナルビル」へ。空港のコンセプトである“北海道ショールーム”の言葉に違わず、北海道中の魅力を余すところなく堪能できるスポットです。また、グルメやみやげだけでなく、日本初のエアポートシネマ「新千歳空港シアター」や「ドラえもん わくわくスカイパーク」、「新千歳空港温泉」などもあり、一度の来訪だけではとても回り切れない、一大エンターテインメント施設となっています。フライト利用だけでなく、時間に少し余裕をもって訪れて、空港内を巡ってみるのもおすすめです。

©藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK
〈上〉国内線ターミナルビル4階、新千歳空港温泉の前にある花のオブジェはフォトスポットとしても人気　〈左下〉全席両肘掛けイス完備の新千歳空港シアター　〈中央下〉露天風呂やサウナを楽しめる新千歳空港温泉　〈右下〉ドラえもんに会ってプロジェクションマッピングショーを楽しもう

　新千歳空港から車で約40分。千歳の市街地を抜け、道道支笏湖線を抜けると今回の旅の目的地「支笏湖」が見えてきました。支笏湖は、支笏洞爺湖国立公園内に属しており、今から4万年前に誕生したカルデラ湖で、最大深度は360m。厳冬期でも凍らない「日本最北の不凍湖」です。
　実際に湖畔に立つと、その透き通るような湖面の美しい青色と、標高1000mを超える風不死岳、恵庭岳、樽前山などの山々が織りなす深い緑色のコントラストに心が洗われるよう。また、気象条件に恵まれると、周囲の山々が映る鏡のような湖面を楽しめるといいます。北海道が誇る絶景を眺めながら、くつろぎのひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。

〈上〉水質調査で11年連続日本1位にも選ばれている　〈左下〉厳冬期でも凍らず、鏡のような湖面の支笏湖。樽前山（左）と風不死岳（右）を望む　〈右下〉春〜11月上旬まで運行する支笏湖観光汽船。風を感じながら支笏湖の雄大さを体感

　季節ごとに様々な表情を見せてくれる支笏湖。初夏には「支笏湖湖水まつり」が開催されます。期間中は、さまざまなイベントが開催されるなど大きな盛り上がりを見せますが、目玉はなんといっても、支笏湖から打ち上げられる花火です。約400発の花火が、暗い湖面を彩る光景は、この地の夏の風物詩となっています。
　そして冬の「支笏湖氷濤まつり」にも注目です。支笏湖の湖水をスプリンクラーで吹き付けて凍らせた、さまざまな氷のオブジェが並ぶ様子は、まさに圧巻。“支笏湖ブルー“と呼ばれる支笏湖の湖水独特の青みがかったオブジェは他では見ることができません。
　秋には、名物の支笏湖チップ（ヒメマス）とキノコの入った味覚汁が振舞われる「支笏湖紅葉まつり」が開催されるなど、どの時期に訪れても楽しむことができる支笏湖。次回は、季節の催しの時期に訪れたいと思いを馳せました。

〈上〉夏の支笏湖を彩る「支笏湖湖水まつり」の花火　〈左下〉周囲の山々の紅葉が美しい支笏湖畔　〈右下〉支笏湖の湖水を凍らせたオブジェが立ち並ぶ「支笏湖氷濤まつり」。夜はライトアップされ一層幻想的な雰囲気に

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　美しい景色に別れを告げ、次に向かったのは、支笏湖から流れる千歳川沿いに立つ「道の駅サーモンパーク千歳」です。
　館内に入り、まずは農産物直売所の「旬菜の館」を訪ねました。こちらには、千歳市をはじめ近郊農家より仕入れた新鮮な野菜が所狭しと並んでいます。生産者の顔が見えるため、安心・安全であるのはもちろんのこと、そのリーズナブルな価格も嬉しいところです。続いて、千歳市ならではのみやげをゲットしようと「ファクトリーマーケット Kanto」へ。こちらは、北海道の「良いモノ・美味しいモノ」が大集合したショップで、なかでもオススメは限定商品のサーモンパイ。千歳川の遡上するサケをモチーフとしたジャンボサイズの焼き菓子は、千歳みやげにうってつけです。

〈上〉スタイリッシュな外観が目を引く「道の駅サーモンパーク千歳」　〈左下〉旬菜の館に並ぶ野菜は、地元の農家さんが直接持ち込んだものだ　〈右下〉敷地内には日本最大級の淡水水族館「サケのふるさと千歳水族館」（入館800円）がある

　みやげを手に入れた後は、おいしいグルメを味わおうとフードコートとレストランへ。道の駅サーモンパーク千歳に来たら、絶対に食べた方がいいと勧められたのが「ピザドゥ」のピザ。天然酵母で発酵させた生地、道産のトマト、北海道黒松内町のチーズで作り上げたピザを、自慢の薪窯で焼き上げるというものです。一口、頬張ってみると、トマトの酸味とチーズのコクが口の中いっぱいに広がります。
　また、ピザだけでなく「蝦夷麺 四の五の言わず」が提供する、カキやエビなど北海道ならではの海の幸を生かしたラーメンもおすすめです。人気の海老龍老青山椒麺は、花山椒やたっぷりのスパイスを使用した刺激的な辛さと、濃厚な海老スープがマッチしたラーメン。「ピリッと辛いのですが、海老スープがまろやかな味わいにしてくれますよ」と店長の田島さんが話してくれたとおり、辛さのなかにもエビの甘みが確かに感じられる一杯です。

　美しい自然、そしておいしいグルメで、心もお腹も大満足の時間を過ごせる千歳市。北海道に降り立ったら、ぜひ足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
（2019年10月）

〈上〉「ピザドゥ」のマルゲリータ1150円　〈左下〉「蝦夷麺 四の五の言わず」の店長、田島健志さん。「ここでしか味わえない味を楽しんでください」と笑顔で話してくれた　〈中央下〉辛さがクセになる、海老龍老青山椒麺1045円　〈右下〉フードコート内では、施設内のレストランのメニューを持ち寄って食べられる